第22回全国交流集会集約を掲載しました

22回全国交流集会全体集約

                        県協連事務局長 高原敏朗

19県協 205名で成功裏に開催

昨日、今日と2日間の短い交流でしたが、有意義な交流はできましたでしょうか。

それでは、全体集約に入ります。まず、第1点は、来賓の方々のご指導、ご鞭撻のもと、地元東京実行委員会の斉藤邦彦実行委員長代行を始め、東京ブロックの一致団結したご尽力で、第22回全国交流集会が成功裏に開催されたことにお礼を申し上げたいと思います。現地実行委員会の皆様、本当にありがとうございました。

第2は、昨日から皆さんから寄せられた友の会活動報告書、並びに座長さんの報告書を読ませていただき、また今日の五名のブロック代表発言をお伺いしました。そこで以下のように集約点を報告します。19県協から205名の参加者を得られましたが、その年齢構成と男女の参加比率です。昨年の四国から比較すると平均年齢が若干上がりました。

20歳代は、6人。30歳代は、9人。40歳代も、9人。20歳代から40歳代まで、24人で全体の12%でした。昨年は48人で20%を占めていましたが約その半分でした。そして50歳代が、34人の16%。60歳代が一番多く、115人で56%。70歳~80歳代も31人で15%。この60歳から80歳では71%にもなり、高齢化が確実に進んでいます。もう名前を老人友の会に変えたほうがいいんじゃないかという方もいますが代えません。

 

青年、女性の頑張りに学ぶ

なぜならば、四国に限らず若い会員、読者、家族の確実に増えてきているからです。まなぶ友の会運動が、「自分自身でつくりだしている壁を取り除くことから始まる」と四国の文化発表で表現してくれた「進撃のM君」。読者拡大への展望を切り開く組織者を作り続ける限り、必ずや若者の気持ちに寄り添い『月刊まなぶ』を武器に新自由主義政権打倒への反転攻勢に転じる主体的条件を高めることができる、と明かし

 

てくれたと思います。次に男女の参加比率ですが、今年も女性の参加率は、57名で39%。昨年は、25%でしたから関東、東京ブロックでは女性の参加が拡大してきたと言えます。これは情勢とも関連しています。女性の職場の待遇の悪さ、政治反動、年金切り下げ、親の介護、医療費、介護保険の高額負担などに敏感に反応し行動に立ち上がるのは、働きながら家庭生活を預かる女性たちからです。東京北部協、中部協は、男性よりも女性の参加が上回っており、集約集会でも茨城のIさん、女性代表のOさんの活動報告にもありますように定年後も活動を継続しており、そうした姿に学び、家族の参加を勝ち取っています。

 

家族ぐるみの運動が力に

友の会運動の宝は、第一学習会にありますが、家族ぐるみの運動が新たな仲間を組織する力を発揮できるということを改めて確認できた全国交流集会でした。これも、昨日の文化交流会の東京ブロックの「担い手の悩み」に示されたように、身近な家族を変えられないで、社会が変えられるのかと鋭い提起が家族からありましたので来年の文化発表が楽しみになりました。従って、青年、女性を大切にして、彼らの声を聞く、そして何を求めているのかを「なぜか、どうしてか」の相互討論できるまでの信頼関係づくりがどうすれば出来るのかが、今後の課題となりました。これが第2の集約点と言えます。

 

県協連が示す

3つの大きな柱の中間総括

第一学習会の強化・発展

最初の第一学習会の強化・発展は、全国に132の友の会がありますが、本集会に参加したのは77友の会。そのうち第一学習会が定着しているのが63友の会で83%。合同第一学習会や県協、地区協、斑会議で一緒に活動している友の会は12友の会で15%。併せて63+12=75友の会。残りの未開催友の会が2つ。これもブロックや県協の関わりがありますから、ここに結集いただいた方々へは、学習会が保障されているということです。この継続が発展の鍵を握っていることが分かりましたが反面、第一学習会がない友の会は、結集が難しいことが分かります。これをどう改善するかが課題です。

次は第一学習会の中身ですが「おかしいことはおかしい」と言い合える。これが大切なことです。しかし、そこから怒り、要求へ。抵抗から労働組合の団交という実践に高まっているかと言えば、なかなかそうなっていない。座長さんの報告にもありましたが、多くの現役労働者は、正規、非正規を問わず、長時間労働、サービス残業が当たり前で文句の言い場がない。労働組合は頼りにならない。退職再雇用者はどうか。賃金が3分の2、半分に切り下げられても、今はどこでもやられているからを声が上げづらい。年金生活者は、年金が次第に切り下げられても、その怒りをどこへぶつけていいのかわからず、あきらめが先行し、思考停止状態にある。しかし、これに甘んじることなく闘い続ける仲間たちが存在していることも分かりました。

 

分散会で分かったこと

日本の林業、農業がつぶれる

私の分散会で林野労組の方、農業を営む方がいて話が聞けました。林野の方はスギやヒノキの植林の仕事をしていますが、鹿の苗を食べてしまうのでその対策のアイデアを出せと言われ、今ではドローンを飛ばし空から生育状態を探索するということですが、あまりにも鹿の食害がひどいので今は鹿を捕獲して肉料理を作ったりしている。日本全体でも鹿の食害が広がっていてこれでは日本の林業は立ちいかなくなる心配がある。またアイデアを出せとS、A、B、Cの評価制度で査定してくるが、アイデアなんて出せない。また農業を営む方は、TPPで日本の食の安全は危うい。米や野菜の自給率が下がってきている。私は農業委員をやってきた。農業委員は選挙で選んできたが、今は市長の任命制で反対意見や良い政策を言っても取り上げられなくなってくる。JA(農協)は、休耕地を不動産まがいの利潤追求に利用しようとしている。もうかれば何でもやるという資本の論理がまかり通っていて、これでは日本の工業製品輸出優先、農林業は、日の目をみない状況だ、と語ってくれました。

また、幼稚園教諭の方は、8時出勤、16時45分終業となっているが、保護者が7時40分ごろからくるので、20分前出勤、夕方はだいたい18時ごろまでサービス残業が当たり前の実態だと言います。でも他の自治体の人は、あなたのところは、延長保育の代替え先生がいるからいいわよ。だから有給休暇も取れるのよ。私のところはなかなか取れない実態よ、と言われてしまう。今、保育園と幼稚園が合併し子ども園になる過度期で事務の先生がいないので雑多な仕事が多く大変だ。でも労働組合もあり友の会もあるから相談できる。しかし、なかなか議論にはならない、これが実態ですと皆さん、厳しい中、働いていることが分かりました。こうした中、不満を要求に闘い続ける仲間がいることもいます。

 

許せないと闘う仲間づくり

第1に、関東ブロックの寸劇パートナーさんの要求をかかげ闘ったJマート労働組合の闘いでした。非正規の要求を正規労働組合が自分たちの要求として闘う、これがもとめらられていることが分かりました。第2は、闘わない連合労働組合内の下からの嘱託社員の声、組合員の声を取り上げる運動です。これは京成労組の民主主義を守る会『道しるべ』の学習運動から、労組機関紙運動に生かす取り組みに見られました。第3は、香川郵政ユニオンの毎週月曜発刊の『おはよう』ニュースで職場の仲間を勇気づける運動です。第4は、ストライキで要求を闘うN関労の仲間たちの奮闘です。第5は、未組織の組織化を地域ユニオンに結集させ、泣き寝入りさせない努力です。第一学習会を闘いの砦として一人ひとりの要求をみんなの要求として闘い続けることの大切さを教えてくれました。ここへくれば何でも話せる。仲間が親身になって相談にのってくれる。その後の一杯会が楽しみで参加しているという仲間も多く見受けられました。人間は生みですから、1日24時間、365日、怒りは何か。要求にどう高めるのかなんて考えられない。息抜きが必要だ。スポーツ、歌声、ヨガ、水泳、ダンスなど趣味を生かした人間関係づくりが求められているのでないか。そうした中身も第一学習会の外部の五人組運動でも議論したら、仲間づくりに活性化するのではないか、という意見も出されています。

しかし、友の会運動の担い手も年々歳を重ねています。健康第一を年間方針の個人方針ではその具体化をどう進めるかも問われています。「闘い一生、学習一生」の構えは、生命と健康を守るための相互討論が必要です。見てみると身近な仲間や家族に健康破壊が進んでいます。お互いの健康状態をされけだして支え合い、助け合うこれが求められていることも分かりました。そのためにも、科学的健康観を身に着けることが必要です。

古典に学び続けていかねばなりません。そこで次は、テキストの活用状況です。圧倒的に多いのが『月刊まなぶ』で、次に『社会を変える、自分を変える』、『日本はどこへゆくのか』、『成果主義との闘い』と続き、『経済学入門』、『マルクス経済学の方法』、『学習一生、たたかい一生』、『続 学習一生、たたかい一生』、『』15歳からの経済学』、『女性史を拓く』、『機関紙 道しるべ』及び『働く仲間』、『分断社会日本』、『共産党宣言』とありました。テキストの活用は、友の会ごとの条件に応じて多岐にわたり、創意工夫が見てとれました。そうした中で、一番活用されている『月刊まなぶ』編集への要望も増えてきました。

①   字が小さく読めない。②専門用語が多

くわかりづらい。③情勢に応じた特集を続けて欲しい。④原発問題の継続を。⑤ふたつの意見を出してもらい、相互の意見の討論の紹介を。⑥新しいHPづくりなど、これらを生かすことで仲間づくりの武器となる『月刊まなぶ』を読みやすい内容に反映させていくこととします。

 

3000部到達運動の中間総括

次に大きな柱の『月刊まなぶ』拡大運動の中間総括です。これは私の分散会での報告を紹介します。皆さん拡大の意識はあっても実際に有料購読してもらうのは大変なようです。しかし、神奈川のSさんは、目的意識をもってリストアップを行い、働きかけをすれば必ず仲間は応えてくれると明らかにしてくれました。「元全逓の仲間へ働きかけた。昨年の安保法制反対のバックステッカーを付けてグランドゴルフに参加したら、『政治をこの場に持ち込まないでほしい』と非難され腹がたった。そのことを朝日新聞の読者欄に投稿したら載って、またバッシングを受けた。この気持ちをどこへぶつければいいのかと思っていたときに、まなぶ学習会の誘いがあり、参加したら良かった。こういう話し合いの場が欲しかったんだとすぐ読者となり会員にもなってくれた。年金問題で私が老人地獄のレポートを出したら、良かったと好印象を持たれた。現役労働者には、なかなか関われないが社会の不平・不満がいっぱいあるのだから、それを取り上げて学習すればおのずと成果につながると思う」という報告でした。自分で壁をつくらずに組織的にリストアップして働きかけるという教訓です。これを後半にも友の会で生かしていきたいものです。しかし、全体として減部傾向に歯止めはかかっていません。今、一度、皆さんの個人方針の確立、家族ぐるみの取り組みの強化で拡大運動に弾みつけていただきたいと思います。それには、さきほど申し上げた外部の五人組運動からまなぶ学習会への組織化が求められています。

 

総学習運動から一歩実践に踏み込む

 大きなみっつめは、記念出版やHBを活用した総学習運動の強化で、実践に一歩踏み込む課題です。分散会では、兵庫県協のTさんの闘いが評価されていました。「人に歴史あり」と川崎重工で会社を相手取り、11年間賃金差別の裁判闘争をたたかった生き方です。会社の施策にいっさい協力しない姿勢、節を曲げず、正義を貫き、人として生きてきた歴史。この闘いに示されるように、まず一人からの闘いから始まるということです。Tさんは、県協連の総学習運動の提起する前から、自らの歴史を作ってきました。それは「闘い一生、学習一生」を貫く学習運動がなければ続きません。三池の「やがてくる日に」に示された実践です。三池友の会のOさんも、自分はここにいるのも「英雄なき113日のたたかい」を闘い、313日の三池・安保闘争を闘えたのも、大衆学習運動と家族ぐるみがあったからだと語ってきれました。この生き方は、香川の国労高松友の会のKさんの労大首切り撤回闘争を闘えた背景を自分の歴史を追って報告してくれました。私もその一員でした。聞いていて涙が出てきました。このような闘いを支えているのが、新たに始まった創意工夫の古典学習会です。香川の「増田農園古典学習会」、徳島の「津田塾」、「まなべヤ」、「たたかう女子会」、今年新たに発足した埼玉浦和地区「哲学研究会」などが続いています。学習し実践に生かす、実践を総括し新たな学習へ取り組みという理論実践の結合が大衆学習運動を通して導かれるということです。以上の大きなみっつの取り組みを改めて確認できると思います。こうして、総括できるには、階級的労働運動の再生は足場で闘い、学習を組織することです。そして、労働者階級の圧倒的高揚を創り出し、安倍反動政権に鉄槌を下さねばなりません。

 

機関紙運動、文化運動の強化、

6ブロック統一へ

しかし、成果はこれだけではありません。友の会運動を支えるのは、運動を機関紙によって会員のみならず、読者、家族へ返す往復運動です。京成駅葛飾友の会の機関紙『働く仲間』は、毎月私のところへ届けてくれます。会員、読者、家族の動静をよくとらえ家族ぐるみの運動に役だっています。この友の会ニュースも全国から寄せられ会場に掲示されていますが、まだまだ少数です。この機関紙運動の強化が課題です。

次は、文化運動の成果です。昨日の文化発表はなかなか見応え、聞き応えがある中身でした。合唱団の前泊からの練習、ブロック内での事前練習の成果が見事に表現されていました。さすがです。私も牛坂さんの指揮につられて歌っていました。名タクトの誕生です。そしてアコ―ターのお二人の息のあった演奏にもしびれました。来年が楽しみの文化発表でした。ありがとうございました。

最後は、3ブロックとの統一をめざした6ブロック交流の再現です。全会員の力で押し上げていきましょう。来年は関東ブロック・水上温泉ホテル聚楽での交流集会です。また新たな陣営を加えて交流を迎えましょう。以上をもって全体集約とします。

 

 

2017/06/16