第三十次 労働大学峡東講座のご案内
二〇一四年九月十五日
労働大学峡東講座実行委員会
働く仲間の皆さん、地域の労働組合の皆さん、日頃の労働大学へのご協力に感謝申し上げます。今年の労働大学峡東講座は30年目となり節目の年を迎えました。この30年間、地域の労働組合のご協力をいただきながら労働者教育の一翼を担わせていただきました。そして、本講座を介して、現在も数多くの仲間が労働組合の担い手として活躍をし、講座の開催、講師の派遣などにご協力いただいています。この地域・産別を越えた学習と交流を大事にしようという意識は、30年の積み重ねの中で育まれ、今では「秋の講座」として定着してまいりました。
さて、7月1日、安倍内閣は臨時閣議を開き、他国への攻撃に自衛隊が反撃する集団的自衛権の行使を認める閣議決定をしました。これは、歴代内閣が憲法9条により集団的自衛権の行使を禁じてきた憲法解釈を崩し、憲法の柱である平和主義を根本から覆すものです。日本は第二次世界大戦で多くの犠牲と侵略の反省に立ち、平和主義に基づく日本国憲法を制定してきました。戦後69年、日本は平和国家の歩みを続け、戦争によって一人も殺さず、一人も殺されずに来ました。しかし、奇しくも自衛隊発足60年目の7月1日に、安倍内閣は、日本が直接攻撃されていなくても他国の戦争に参加することができる国に大きく転換しました。
閣議決定後の各種世論調査では、集団的自衛権行使容認に「反対」が大多数となっています。また、地方議会からの集団的自衛権行使容認に反対する意見書、決議は200自治体を超えています。
このことを見ても、安倍内閣が国民の意思を無視し、国会にも諮ることなく、海外で戦争ができる国に道を開いたことは、歴史的暴挙であり決して許されるものではありません。
また、安倍内閣の教育に対する政策は復古主義的色彩を色濃くしています。その特徴は,教科書制度の改革や「道徳の教科化」による政治的イデオロギー的統制と,学校週六日制や教師教育改革など、そして、教育委員会制度の改革、教師に対する官僚的統制の強化など「教育の政治的中立の確保」が危ぶまれています。
これから日本を背負う世代がどのような教育を受けることができるかによって日本の進むべき道は決められるといっても良いでしょう。戦後教育は、戦争を教訓として、憲法と教育基本法に基づいて教育ということが考えられてきました。「基本的人権の尊重」「平和主義」「国民主権」そうしたことを教育の現場で実現していくということになったのです。日教組は、先の大戦で教え子を戦場へ送り、戦争に協力したことに対する痛切な悔恨を込め不戦の決意を示した「教え子を再び戦場に送らない」というスローガンのもと戦争のない平和な社会をめざしとりくみを進めてきました。その戦後培ってきた民主教育、平和教育が「戦後レジームからの脱却」と言って根本から破壊されようとしています。子どもたちの教育の自由を守り、教育労働者の権利を守ることがいま大きな課題となっています。
このような私たちを取り巻く情勢の中で、実行委員会ではどのような講座をつくっていこうかと真剣に討論を重ねてきました。昨年の講座アンケートでは、「他の市町村、組合の方々の職場の状況を聞き、自分の市との違いを確認でき有意義な交流と感じました」「 さまざまな立場の方と意見交換ができて、同じような悩みを抱えている人がいる、と認識できてよかった」などの声が多く、参加者が地域・職場を超えて交流することから何かを学び取っていただいていると思います。一方、「ノー残業デーを普及して」「超過勤務時間が多い」「年休・代休が取れない」など労働者一人ひとりが人員不足のなか仕事に追われ権利も行使できない状況に置かれていることも訴えられています。そうした声をもとに、今年は左記のような講座を開催します。職場交流のテーマは現在実行委員会で討論中ですので、決まり次第ご連絡したいと思います。
人間らしく働き続け生き続けるために、そうした社会を実現するために、私たちは何をしなければいけないのでしょうか。「労働者のものの見方考え方」を中心に6回の講座を通して考えていきましょう。昨年の労大講座には、延べ181名が参加されました。若い組合員が講座に参加して学ぶなかから、労働者としてのものの見方考え方を掴み取ることのできる労大講座にしていきたいと、実行委員会一同努力してまいります。
つきましては、第三十次労働大学峡東講座を左記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。
記
会 場 山梨市・夢ワーク (旧)勤労者福祉センター 3F・B会議室
参加費 全講座参加・二千五百円 一講座参加・六百円
日程 テーマ 講師
10月22日(水)労働者のものの見方考え方 丸山和彦
10月30日(木)自治体問題を考える 自治労
11月 6日(木)教育問題を考える 山教組
11月13日(木) 「労働組合とは何か」 未定
11月20日(木) 職場交流「労働組合とは何か」
11月27日(木) 私たちを取り巻く情勢と課題 滝野 忠
昨年の労大講座風景
