中央講座のご案内

第4期中央講座第4回

  開催日時 2014年2月23日(日)    王子岸町ふれあい館  

今年は寒気が日本列島を覆っています。皆さんにはお元気にお過ごしのことと思います。

昨年の三回目の中央講座からすでに3ヵ月以上の期間を経ました。

いよいよ今回から『資本論』に入ります。日常の活動・運動で頑張ってこられているだけに、前回学習の第一部門の哲学「唯物史観」についてお忘れになっているかと思います。レポート担当の折に学習した部分は組織的学習を重ねてきていますので、覚えているのですが、再度中央講座の前には学習テキストを開いて予備的な補習を行うことをお進めいたします。資本論学習も哲学が基礎になります。

 

開催日時 2014年2月23日(日)

      10時~16時30

 開催場所 王子岸町ふれあい館

 講座内容 『社会を変える、自分を変える』

 第二部門 経済学 第一篇 資本論 序章

第一部・資本の生産過程

第一章 商品

    第二章 資本

    第三章 剰余価値

 P91~124まで レポ・四国ブロック

*前回の宿題について

 「四層構造の相互作用を

       具体例をあげて説明せよ」

 *坂牛学長の住所 〒167-0042

       東京都杉並区西荻北4-40-5

 2月16日までに提出してください。

宿題が求めているのは、社会構造を形作っている土台である経済構造と上部構造である三層との相互作用を求めていますが、上部構造における相互作用についても論述されると良いかと思います。しかし、規定的である土台の経済構造を念頭に置いた上で考えてください。

前回学習のおさらい 哲学 第二部 唯物史観

第一章 社会発展の原動力

唯物史観を学習するためには唯物弁証法の三大法則を常に念頭において置くことが大切であると、前回この章を担当されたレポーターが強調していました。三大法則は自然、社会、精神それぞれを貫く運動法則であることが述べられています。

唯物史観とは、簡単に定義してしまえば、唯物弁証法の三大法則が、社会の運動法則にも貫かれている、という考え方になるといえます。もう一度この三大法則をはっきりとさせておきましょう。

一つは、事物運動の原動力は内部矛盾であるとし、二つは、量から質への転化、及びそれの逆の転化、三つは、否定の否定の法則、つまり螺旋状発展です。

このような法則は別々に理解するのでなく、統一のうちに理解することだという認識いたしましょう。

これを社会に当てはめれば、社会発展の原動力がその社会内部の矛盾にあることは明らかになるでしょう。

唯物史観は、私たちの運動を認識するためのも、社会が「変わる」という確信を持つためにも、「変える」ためには人間が社会に働きかけるという必然、実践を求める学問だ、ということです。

唯物弁証法と唯物史観学習のためには、余計なことと思われるでしょうが、ぜひ機会がありましたらエンゲルスの『自然の弁証法』とともに、『猿の人間化における労働の役割』をお進めいたします。総学習テキストが「社会存在の基礎は労働過程」という提起を行っているのはその学習を含めて求めていることを付言します。テキストはそれらをP70の後ろから4行目からP74へと、そして、次節「労働手段の決定的役割」のなかで極めて簡潔に述べられています。前回議論のあった労働過程の三要素については議論がありましたが、事務局の理解はテキストの述べる規定であると考えます。向坂逸郎さんが監修された『資本論解説』においても労働過程と価値増殖過程の中でも、「この労働という人間の活動は、労働過程における主体をなすものとして、その最も重要な要素である」とされ、「労働・労働対象・労働手段」がその三要素であると述べています。さらに、岩波書店の『経済学辞典』での同様の記述になっていますのでご確認いただければと思います。

復習が長くなりますが、人類の長い歴史は「生産力と生産関係の矛盾」のなかで、特にそのことによって生ずる階級闘争という、法則的な人間の営みが社会を発展してきたということであります。

 

第二章 土台と上部構造

前回の通信の最後に付記しておきましたが、今回宿題の内容になりました。相互作用の具体例をあげて説明せよ、ということですからそれぞれが自分の考えることを宿題提出の際にテキストを熟読されるようお進めいたします。

『日本はどこへゆくのか』では四層の構造図と共にその相互作用に触れておりますので、参考にしてください。「国家(政治構造)と法律」の節では、経済構造(生産・分配・交換・消費の全過程)を土台にして国家が生まれることを明らかにします。この社会の構造の土台である経済を基礎に、次第に国家、政治、法律、社会心理などの上部構造がつくられるのですが、精神文化は、これら社会の骨格の変化によって、その時々の土台と上部構造に対応して生まれるといいます。ここで重要なのは、「人間の意識が彼らの存在を規定するのではなく、彼らの社会的存在が彼らの意識を規定する」ということを参考にして相互作用を考えてください。

「精神文化」の節では、道徳、宗教、芸術などは、上部構造の中でも、これら分野の独自の運動を展開することが述べられています。

「土台と上部構造の相互作用」の節は、学習でも明らかにされましたが、「経済的構造」がその社会の実在的な「土台」であり、上部構造としての三層を規定しますが、上部構造である三層が同時に土台である経済構造をも規定することが述べられ、相互に作用しあうことが明らかにされています。テキストは、生産の基底となる生産力は生産関係と交互作用する。このように生産力を根本的規定者として全社会は一大交互作用をしながらダイナミックに運動する、と述べます。このことを念頭におきながら宿題を考えてください。

 

第三章  階級と階級闘争

この章は、社会発展の原動力が「階級闘争」であることをまず明らかにしています。

「階級とは何か」の節では、階級の発生が起こったのは何が契機となったか明らかにします。それは「誰が生産手段の所有者」になるのかによって決まると。これを巡っての闘争が階級闘争であると規定しています。

さらに重要なのは階級闘争とは、「新しい生産力の担い手による古い生産関係の破壊のための闘争」であるとし、現代における階級闘争の本質は、プロレタリアートによるブルジョア階級の打倒であることがここで明らかにされます。次節の「労働者階級の崩壊を直視して」は、第三部門への重要な提起がすでにここで問題提起されていることです。これについては「闘いの総括と展望」のなかで詳しく学習しますので、復習はここまでとします。

 

以下は四国ブロックの課題です。

第二部門 経済学 第一篇 『資本論』 

序章 『資本論』を学習するために

第一部・資本の生産過程

第一章 商品

第二章 資本

第三章 剰余価値

これまで哲学を中心に学習を深めてきましたが、これからは経済学です。それは『資本論』を中心にして進めます。

『資本論』は全三巻を通じて「価値」および「価値法則」が貫かれているということを学習の課題にしてください。特に「価値法則」は資本の運動にとってすべてに貫いている、これの理解を欠かすことはできません。四国ブロックの若い仲間たちの奮闘を期待したいと考えます。

2月23日に再会できることをよろこび今回の通信を終わります。

2014/01/05