労働大学とは

第21回労働大学総会
日程 2024年11月17日
場所 東京・千住スポーツ公園


 総会の意義と課題
 「継続は力」、目的意識を持った思想を
労大運動とは大衆学習運動である

2023年6月11日(日)に開催された「労働大学再建20周年記念集会」で再確認された「労大運動とは大衆学習運動である」という本質的意義を理解することが大切です。再建20周年集会では、労働大学のこれまでの歴史を総括し、まさに階級及び階級闘争としての労働大学、大衆学習運動の重要性・必要性が訴えられました。大衆学習運動とは、具体的には「学習と相互討論」の積み重ねです。
「継続は力」と言うけれど、継続ほど難しいものはありません。目的意識を持った構えと思想、マルクス・レーニン主義に裏打ちされた日常生活が重要です。
学習会は、続けることが何よりも大切です。学習会は、ただ学習するというだけでなく、大事なことは学習活動、相互討論を通して参加している仲間が同志意識を持つようになり、各人の個性を生かす協力体制の中から、運動の中で協力しあって活動するように変化・成長して、組織的な力に発展します。

マルクス主義は、労働者の思想

まずは、『資本論』の学習会を全国各地で立ち上げましょう。指導者がいないとか、担い手がいないとか、よく言われますが、「まずは読んでみよう」からスタートしてください。必ず自信に満ちた一歩を自覚するようになります。
資本主義社会の具体的な現象から本質を見抜くことを学ぶには、マルクス主義の他にないのです。現在の資本主義社会の矛盾が、どこから出てきているのか、資本主義とはどんなに冷酷なものか、合理化とは何か、労働者はなぜ組織的に結集しなければならないのか、労働者階級の歴史的任務とは何か、等を理解し合う力になります。マルクス主義は、もっとも人間性を大切にし、額に汗して働く労働者の思想だからです。労働者としての生き方、それは科学的社会主義思想に裏打ちされた労働者としての誇りです。

労働大学の果たす役割

私たち労働大学の任務は、マルクス・レーニン主義思想を学び、広めることです。全国の職場と地域に大衆学習運動、総学習運動を組織することです。
具体的な課題として①科学的社会主義の追及、理論と実践の統一を追求していく。これは、科学的社会主義の思想を根底に据える事です。②職場抵抗闘争を軸とした、階級的労働運動の追及、反「連合」の立場に立つ態度を明確にし、闘う労働者と共に歩むこと。③労大再建の主体は、友の会運動・大衆学習運動であり、それと一体となってすすめる。学習の基本姿勢についてです。以上3点を意思統一してきました。
具体的には、全国各地で取り組まれている大衆学習運動としての「労働大学まなぶ友の会運動」の強化・拡大です。資本に対する怒りを組織する『月刊まなぶ』拡大運動です。『月刊まなぶ』は、宣伝者であり、先導者であり、組織者でもある任務を担っていることを、私たちが自覚することが大切です。

目指すは、人間性回復、人間解放

労働者の哲学はまず、労働者が労働者であることに誇りをもつというところから出発します。目指すは人間性回復、人間解放のたたかいであり労働者の世界観を持つことです。
社会主義運動、労働運動は、私たち自身と仲間との「人間性回復」あるいは「人間性を高める」たたかいであるということです。
人は、徹底的に考えぬき、全力をあげて努力したとき、どんな困難にも負けない力を身につけることができる、と言われています。その源は、資本に対する怒りです。労働者としての組織的な団結です。階級及び階級闘争を自覚することであり、資本主義的常識を打ち破り可能性を高める努力です。
私たちの任務は、しっかりと根を伸ばし、根を張り、粘り強く寄り添い、仲間の心を捉え組織することです。これらの運動を通して培われた「相互討論」による人間としての成長、労働者階級としての自覚と誇りです。
「マルクス主義は、額に汗して働く労働者思想」であることを認識しあい、これからもゆるぎない確信をもってたたかいぬく決意です。
第20回労働大学総会
日程 2023年11月19日
場所 東京・千住スポーツ公園

 11月19日午後1時30分、第20回労大総会が東京・千住スポーツ公園において開催されました。

第20回労大総会は、全国の仲間の元気な姿と報告から、元気をいただきました。
以下「総会の意義と課題」、及び須藤行彦学長の「総会集約」を紹介します。。

 
 

Ⅰ、総会の意義と課題PDFファイルはこちらをクリック

 再建「労働大学」20周年を、大きな一歩に

労大運動とは大衆学習運動である

2023年6月11日(日)に開催された「労働大学再建20周年記念集会」で再確認された「労大運動とは大衆学習運動である」という本質的意義を理解することが大切です。

1979年、労働大学結成25周年集会に全国から3000人を結集して、それまでの総括にたって「労大運動とは大衆学習運動である」という方針を確認し合いました。大衆学習運動とは、具体的には「学習と相互討論」の積み重ねです。

今回の20周年集会で須藤学長から、労働大学のこれまでの歴史を総括し提案された内容は、まさに階級及び階級闘争としての労働大学・大衆学習運動の重要性・必要性です。

学習会は、続けることが何よりも大切です。学習会は、ただ学習するというだけでなく、大事なことは学習活動、相互討論を通して参加している仲間が同志意識を持つようになり、運動の中で協力して活動するようになります。各人の個性を生かす協力体制の中から、そのように変化・成長して組織的な力に発展します。

マルクス主義は、労働者の思想

それでは何を学ぶのか、それは科学的社会主義思想、マルクス・レーニン主義です。資本主義社会の具体的な現象から本質を見抜くことを学ぶには、マルクス主義の他にないのです。マルクス主義は、額に汗して働く労働者の思想だからです。

現在の資本主義社会の矛盾が、どこから出てきているのか、資本主義とはどんなに冷酷なものか、合理化とは何か、労働者はなぜ組織的に結集しなければならないのか、等を理解し合うようになります。マルクス主義は、もっとも人間性を大切にする思想です。

今日の社会の変革には、労働者階級が中心とならなければならないことを自覚するようになります。労働者階級の歴史的な任務です。

真の労働大学再建の力に

2003年11月24日、「労働大学再建集会」が、坂牛哲郎学長の下に全国から結集しました。その意義と課題として、①科学的社会主義の追及、理論と実践の統一を追求していく。②職場抵抗闘争を軸とした、階級的労働運動の追及、反「連合」の立場に立つ態度を明確にし、闘う労働者と共に歩むこと。③労大再建の主体は、友の会運動・大衆学習運動であり、それと一体となってすすめる。以上3点を意思統一すると共に『月刊まなぶ』発刊を確認し合いました。2004年1月創刊号として『月刊まなぶ』を誕生させることが出来ました。

第1回労働大学総会は、2004年11月23日、文京区民センターに全国から結集し困難を乗り越えて、大きな一歩を踏み出しました。そして、坂牛哲郎学長の著書『社会を変える、自分を変える』出版を記念する場ともなりました。総学習運動への提起でした。

労働大学の果たす役割

私たち労働大学の任務は、マルクス・レーニン主義思想をまなび、広めることです。全国の職場と地域に大衆学習運動、総学習運動を組織することです。

具体的には、全国各地で取り組まれている大衆学習運動としての「労働大学まなぶ友の会運動」の強化・拡大です。資本に対する怒りを組織する『月刊まなぶ』拡大運動です。これらの運動を通して培われた「相互討論」による人間としての成長、労働者階級としての自覚と誇りです。私たちは、しっかりと根を伸ばし、根を張り、粘り強く寄り添い仲間を組織することです。

私たちの基調「四つの課題を三つに学ぶ」を換言すれば、私たち労働者は、唯物史観と『資本論』に学び、労働者階級の歴史的使命を自覚し、科学的社会主義に不動の確信をもって生き抜く人間になろう、ということです。

目指すは、人間性回復、人間解放

労働者の哲学はまず、労働者が労働者であることに誇りをもつというところから出発します。目指すは人間性回復、人間解放のたたかいであり労働者の世界観を持つことです。社会主義運動、労働運動は、私たち自身と仲間との「人間性回復」あるいは「人間性を高める」たたかいであるということです。

人は、徹底的に考えぬき、全力をあげて努力したとき、どんな困難にも負けない力を身につけることができる、と言われています。その源は、資本に対する怒りです。階級及び階級闘争を自覚することであり、資本主義的常識を打ち破り可能性を高める努力です。

私たちは、これからもゆるぎない確信をもってたたかいぬく決意です。焦ることなく、亀の一歩一歩の前進を仲間と共に着実にはかることです。

坂牛哲郎前学長の遺志を引き継ぎ「マルクス主義は額に汗して働く労働者思想」であることを確認しあい前進します。

 

 

労働大学・第20回総会・集約
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                 2023年11月19日  学長 須藤行彦

 労働大学再建20周年記念集会の成果を具体的な力に

23年6月11日(日)に開催された「労働大学再建20周年記念集会」で再確認された「労大運動とは大衆学習運動である」という本質的意義を理解することが大切です。

今回の20周年集会で、労働大学のこれまでの歴史を総括し提案された内容は、まさに階級及び階級闘争としての労働大学・大衆学習運動の重要性・必要性です。記念講演のDVDも参考にして活用して下さい。

全国各地で20周年運動を!との呼び掛けで、10月29日(日)に労大再建20周年記念四国ブロック集会が、四国四県から48名の仲間が結集し、徳島・三好市で開催されました。来賓として、新社会党四国ブロック代表、社会主義協会代表から祝辞をいただきました。

学長の記念講演と三池闘争で生まれた歌、9曲を四国ブロック合唱班が披露しました。三池闘争の再認識もすることが出来ました。最後に全員でインターナショナルを合唱し、成功裏に終えることが出来ました。

 労働大学の果たす役割と課題

労働大学の任務は、科学的社会主義、マルクス・レーニン主義思想をまなび、広めることです。全国の職場と地域に大衆学習運動、総学習運動を組織することです。

具体的には、全国各地で取り組まれている大衆学習運動としての「労働大学まなぶ友の会運動」の強化・拡大です。資本に対する怒りを組織する『月刊まなぶ』拡大運動です。これらの運動を通して培われた「相互討論」による人間としての成長、労働者階級としての自覚と誇りです。社会主義運動、労働運動は、私たち自身と仲間との「人間性回復」あるいは「人間性を高める」闘いであるこということです。

困難な中でも、学習会は、続けることが何よりも大切です。学習会は、ただ学習するというだけでなく、大事なことは学習活動、相互討論を通して参加している仲間が同志意識を持つようになり、運動の中で協力して活動するようになります。各人の個性を生かす協力体制の中から、そのように変化・成長して組織的な力に発展します。知識から思想へ、人間としての成長です。

『月刊まなぶ』21年目の新たな一歩を

労働大学の再建で、「はたらくもののほん」として、2004年1月号からスタートした『月刊まなぶ』も24年1月号で21年目を迎えることになりました。

労働現場からの怒りの声や、教育現場や医療現場、地域のユニオン運動や食と農業運動からの声、さらに反戦平和を願う熱い思いなど、内容的にも質的に高められ、多くの仲間の心をとらえています。労働大学ホームページの充実と改善、活用も広める努力をしていきます。ぜひ見てください!

これまで編集実務を担ってこられた栗原規昭さんが健康上、23年4月号から任務を引くことになりましたが、長年大変お世話になりました。ありがとうございます。

これからは、芳賀芳美さんを中心に新しい編集スタッフで、より多くの仲間の関りで、執筆者も可能な限り全国から参加できるようにアンテナを高くして、労働者階級・働く者の血肉になるように努力していきます。なお、表紙絵の古屋昌子さんも、300号まで頑張るとの決意をいただいていますので、皆さんからの激励もよろしくお願いします。

高知県協から『月刊まなぶ』に、新たなコーナー新設の提案もありましたが、全国偏執会議で検討させてください。

 仲間に学ぶ、今こそ、大衆の中へ

 「みんなの学習講座」の『イギリスにおける労働者階級の状態』も大変好評です。24年4月号からは、四国ブロック担当で『共産主義における「左翼」小児病』が始まります。この書を学ぶにあたって、四国ブロックでは「人生の書である」との認識を共有して第1回学習会がスタートしました。

今こそ、あらゆる困難を乗り越えて大衆の中へ入っていくことが求められています。具体的には、若い仲間への声かけを重視しながら、内外の五人組運動の強化です。

私たち課題は、しっかりと根を伸ばし、根を張り、粘り強く寄り添い仲間を組織することです。伝えることの難しさを感じながら、その為にも自らが労働者としての誇りと労働者思想を持った、目的意識的な日常活動を送ることが大切です。目標と方針をもって、大衆に学ぶという姿勢が求められています。健康を第一にしながら、継続した運動を共に頑張りましょう!

 

第19回労働大学総会
日程 2022年11月20日
場所 東京・千住スポーツ公園

 11月20日午後1時30分、第19回労大総会が東京・千住スポーツ公園において開催されました。

3年ぶりの対面での総会となり、全国の仲間の元気な姿と報告から、コロナに負けず資本に負けず、したたかな大衆学習運動の底力を感じました。来年6「労大再建20周年記念集会」の成功に向けて大衆学習運動を強化して仲間を組織し行こうと確認されました
以下「総会の意義と課題」、及び須藤行彦学長の「総会集約」を紹介します。。

 
 Ⅰ、総会の意義と課題    PDFファイルはこちらをクリック

 困難を乗り越えて、再建「労働大学」の歩み


 労大運動とは大衆学習運動である

 1979年、労働大学結成25周年集会に全国から3000人を結集して、それまでの総括にたって「労大運動とは大衆学習運動である」という方針を確認し合いました。大衆学習運動は、具体的には「学習と相互討論」の積み重ねです。一方で、旧労大指導部は、「労働大学が変質させられた」として、25周年の総括・基調「学習 反合理化 社会主義」を否定し、自ら変質していきました。階級的視点を失えば、理論は崩壊してゆく、理論なき実践は盲目である、と言われています。この背景には、1971年の金ドル交換停止、73年の変動相場制への移行、国家独占資本主義体制が破綻し新自由主義への歴史的な変化が、労働者運動圧殺への攻撃としてありました。
 1990年には、理事会体制が発足し、1991年に篠藤会長による「基本的指導文書」が発せられ、全協凍結、解散へと組織を破壊しました。1993年、中小路理事長と塚元「三池研」代表で「覚書」を交わし、1994年1月、労大専従11名を「戦線移行」で県専従体制が始まりました。1996年、さらに、柳本支局長等の解任を強行実施してきました。私たちは、「『全協』再建をめざす労働大学まなぶ友の会県協連絡会議」を発足させ「大衆学習運動」の全国的運動をつくり上げる努力をしてきました。
労大闘争は思想闘争である
 1999年3月、労動大学労組合結成に対し、同年11月、理事会は、荒畑、手塚、柳本、3名に対し指名解雇を強行し、東京地裁での裁判闘争に入りました。このたたかいを支えようと「労働大学労働組合支援共闘会議」が発足し、坂牛哲郎代表のもとに全国の心ある仲間が結集し、生活も含めた支援活動が始まりました。
坂牛哲郎代表は、「労大闘争は思想闘争である」と提起しました。―「労働者が学ぶ」ということは、自分の置かれている社会的立場をハッキリ知ることである。そして、社会を支えているのは労働者であることを自覚し、労働者が主人公であるような社会をつくることである。…日本を震撼させた三池闘争のとき、60年4月から11月まで、闘争の最重要局面に連日『日刊社会主義』が発刊され、向坂逸郎を中心に『資本論』学習会がもたれた。労大の原点はここにある。―と述べられました。
 2001年9月、私たちは、『まなぶの仲間』を発刊し大衆学習運動の再建への道にしました。その後、情勢の捉え方などの意見の相違が生まれ、東北、中日本。九州ブロックの脱落問題がありましたが、再建の道は着実に前進してきました。
 裁判闘争では、組合員解雇は偽装である点を追求し、東京地裁において2002年12月17日、「3名の解雇無効の勝利判決」を勝ち取りました。勝利した3名が今回のたたかいで得たものは、「団結の中に身を置けば生きられる」ということでした。 
2003年5月3日、理事会側は一方的・強引に「労働大学」解散の暴挙に出ました。私たちは、直ちに抗議するとともに、「労働大学再建」への取り組みを始めました。

 真の労働大学再建の力に
 「労働大学再建集会」が行われたのが、2003年11月24日、坂牛哲郎学長の下に全国から結集しました。その意義と課題として、①科学的社会主義の追及、理論と実践の統一を追求していく。②職場抵抗闘争を軸とした、階級的労働運動の追及、反「連合」の立場に立つ態度を明確にし、闘う労働者と共に歩むこと。③労大再建の主体は、友の会運動・大衆学習運動であり、それと一体となってすすめる。以上3点を意思統一すると共に『月刊まなぶ』発刊を確認し合いました。困難な中でも希望の光が見えたのは、みんなの努力で2004年1月号『月刊まなぶ』創刊号を誕生させることが出来たことです。
 第1回労働大学総会は、2004年11月23日、文京区民センターに全国から結集し困難を乗り越えて、大きな一歩を踏み出しました。そして、坂牛哲郎学長の著書『社会を変える、自分を変える』出版を記念する場となりました。
 2021年2月、坂牛哲郎学長の死去に伴い、学長の遺志を継ぎ「マルクス主義は額に汗して働く労働者思想」であることを確認しあい、2021年11月28日、第18回労働大学総会を成功させ、新しい体制でスタートしました。

 労働大学の果たす役割
 私たち労働大学の任務は、マルクス・レーニン主義思想をまなび、広めることです。全国の職場と地域に、大衆学習運動、総学習運動を組織することです。
 具体的には、全国各地で取り組まれている大衆学習運動としての「労働大学まなぶ友の会運動」の強化・拡大です。資本に対する怒りを組織する『月刊まなぶ』拡大運動です。これらの運動を通して培われた、「相互討論」による人間としての成長、労働者階級としての自覚と誇りです。私たちは、しかりと根を伸ばし、根を張り、粘り強く寄り添い仲間を組織することです。基調「四つの課題を三つに学ぶ」を換言すれば、私たち労働者は、唯物史観と『資本論』に学び、労働者階級の歴史的使命を自覚し、科学的社会主義に不動の確信をもって生き抜く人間になろう、という目標を確認し合い、今日まで努力してきました。『月刊まなぶ』の内容も質的に高められ、多くの仲間の心をとらえています。

 目指すは、人間性回復、人間解放
 労働者の哲学はまず、労働者が労働者であることに誇りをもつというところから出発します。目指すは人間性回復、人間解放のたたかいであり労働者の世界観を持つことです。
 人は、徹底的に考えぬき、全力をあげて努力したとき、どんな困難にも負けない力を身につけることができる、と言われています。その源は、資本に対する怒りです。階級及び階級闘争を自覚することであり、資本主義的常識を打ち破り可能性を高める努力です。
 私たちは、これからもゆるぎない確信をもってたたかいぬく決意です。焦ることなく、亀の一歩一歩の前進を仲間と共に着実にはかることです。来年、2023年は、労働大学再建20周年になります。新たな一歩を踏み出すためにも、事務局体制を強化し、大衆学習運動を全国の職場と地域に拡大し、健康を第一にしながら、共に頑張りましょう!
 第19回労働大学総会・集約  PDFファイルはこちらをクリック

           マルクス主義を暮らしの中に


                                 労働大学学長  須藤行彦

 マルクス主義にまなぶ
 資本主義社会の具体的な「現象から本質」を見抜くことを学ぶには、今日の資本主義社会の矛盾がどこから出てきているのか、どういう風に解決されるのか、この世の中の改革には労働者階級が中心とならなければならないことを自覚し、自らの生きる力にするためには、額に汗して働く労働者の思想「マルクス主義」を学ぶ以外にありません。
 資本主義とはどんなに冷酷なものか、合理化とは何か、労働者はなぜ組織的に結集しなければならないのか、を理解する学習の努力が、情勢を正しく把握し、本質を明らかにします。学習会は、続けることが何よりも大切です。ただ知識を得るというだけでなく相互討論を通して参加している仲間が、同志意識を持つようになり、運動の中で協力して活動するようになります。そのように変化・成長して組織的な力に発展します。
 私が二十歳の時、向坂逸郎先生からいただいたハガキに「勉強、勉強また勉強、勉強のみが奇跡を生むと、どこかで武者小路実篤さんが書いていました。僕もそう思います。勉強とは本を読むことだけではない。一切の経験を自分の成長にいかすことです。八月にはまたお目にかかりませう。」(昭和42年7月28日)というのがあります。マルクス・レーニンとは言わず、未熟な私に配慮した内容で、「まなぶということ」をご教授されたものと思います。この思いを今も大切にしています。

 労働者運動の再建に向けて
 戦後、労働運動の中で、最も困難だったのが職場闘争であり、残念ながら最も不十分だったのが職場闘争であったと言われています。1989年11月21日、総評労働運動が解体され「連合」になって33年、「反合理化職場抵抗闘争」は死語になっています。
 しかし、拡大する資本主義の矛盾に立ち向かうには、反合理化職場抵抗闘争を組織する以外にないのです。反合理化闘争とは階級的組織づくりであり、職場闘争こそ階級闘争の土台であることを、三池労働者運動は、闘いの中で学び組織してきました。
 資本主義体制がつづく限り、労働者に対する搾取強化がつづきます。労働組合の反合理化闘争の終局目標は、資本主義体制の変革への歴史的行為、「賃金制度の廃止!」という革命的なスローガンを旗印に出来るような組織づくりと思想を確立することです。
 私たちは、改めてこの問題意識を掘り起こし、階級的労働運動の再構築をはかることに努力することが求められています。

 労働大学の果たす役割
 2003年11月24日、「労働大学再建集会」で確認し合った、その意義と課題として、①科学的社会主義の追及、理論と実践の統一を追求していく。②職場抵抗闘争を軸とした、階級的労働運動の追及、反「連合」の立場に立つ態度を明確にし、闘う労働者と共に歩むこと。③労大再建の主体は、友の会運動・大衆学習運動であり、それと一体となってすすめる。以上3点を再度確認し合うことです。
 困難な中でも希望の光が見えたのは、みんなの努力で2004年1月号として『月刊まなぶ』創刊号を誕生させ、今日まで継続・成長し続けていることです。
 私たち労働大学の任務は、マルクス・レーニン主義思想をまなび、広めることです。思想闘争に妥協はありません。全国の職場と地域に、大衆学習運動、総学習運動を組織することです。
具体的には、全国各地で取り組まれている大衆学習運動としての「労働大学まなぶ友の会運動」の強化・拡大です。資本に対する怒りを組織する『月刊まなぶ』拡大運動です。 
これらの運動を通して培われた、学習と相互討論による人間としての成長、労働者階級としての自覚と誇りです。「大衆学習運動」の担い手づくりです。

 中央講座の成功と、本気で『資本論』学習を
 労働者の哲学はまず、労働者が労働者であることに誇りをもつというところから出発します。目指すは人間性回復、人間解放のたたかいであり労働者の世界観を持つことです。
 その源は、資本に対する怒りです。階級及び階級闘争を自覚することであり、資本主義的常識を打ち破り可能性を高める努力です。
 私たちは、しっかりと根を伸ばし、根をはり、裾野を広げ、粘り強く寄り添い、仲間を組織することです。労働者階級の力は、組織的団結力以外にありません。大衆路線の追求です。
 そのためにも、中央講座『賃金・価格および利潤』の学習の成功と、各県に『資本論』研究会を本気で立ち上げ組織することです。よく耳にするのは、「指導者がいないから」との声です。誰かに教えてもらうのではなく、どんぐりの学習会から始めようではありませんか。香川の『資本論』研究会では、どんぐりの学習会ですが、第三巻第三篇「利潤率の傾向的低下の法則」(岩波文庫第6分冊)まで来ました。やればできます。

 労働大学再建20周年記念集会の成功に向けて
 私たちは、労働大学の果たす役割を自覚し、これからもゆるぎない確信をもってたたかいぬく決意です。しかし、『月刊まなぶ』拡大運動は資本に対する怒りを組織する運動だと、意識統一してきましたが、率直に言って不十分だと思います。Kさん、Hさんの貴重な経験と努力に学びあいたいと思います。改めて内外の五人組運動を再認識し、一歩踏み込む勇気と行動で、拡大運動に全力を挙げる事が求められています。
 当面の目標は、減部傾向を脱する事であり、3000部到達闘争、労大強化基金の拡充を通して近い将来に若い専従者を配置することです。この実現無くして労働大学の展望はありません。近々に事務所移転の大きな問題もありますが、事務局体制の強化を図り継続した拠点として、焦ることなく亀の一歩一歩の前進を仲間と共に着実にはかることです。
 来年の6月11日に第28回全国交流集会に連動して開催される「労働大学再建20周年記念集会」成功に向けて、ホームページの活用と共に、コロナ第8波が来ていますが、お互い健康を第一にしながら「走れば回る風車」です。共に頑張りましょう!
 
 第18回労働大学総会

1128日午後130分、第18回労働大学総会が開催されました。残念ながらコロナ禍のため今年度も前回第17回総会に続いてZOOMミーティングで行われました。総会は奥山信義さんを議長に選出し、冒頭労働大学を代表して須藤副学長の挨拶から始まりました。つづいて議案提案、決算・予算、人事案について飯田事務局長から提案され、参加者からの質疑討論が行われました。参加者は全国から39名の代表が参加し、9名の発言・質疑討論が行われたあと、全員の○サインで総会議案、決算・予算、人事案は承認されました。

新学長に選出された須藤行彦学長は、新任のあいさつで労働大学の果たす役割を述べ、唯物史観と資本論に学んでいこうと述べました。(須藤学長新任挨拶は別紙のとおり)

マルクス主義は、額に汗して働く労働者の思想

            2021年11月28日  労働大学 学長 須藤行彦

新しい体制でスタート

坂牛哲郎前学長のご逝去に伴い、学長代行を務めていただいた宮坂要さんの健康上の問題もあり、今回で退任されることになりました。大変残念なことですが、これらを受けて今回、「労働大学」と「まなぶ友の会運動」との一体化に向けての一環として、陣立てにおいて一歩踏み込む決断をしてきました。結果、学長に不肖私須藤行彦が就任し、副学長体制と事務局体制を強化し、新しい体制でスタートすることになりました。

私たちは、先輩たちが困難を乗り越えて培ってきた労働大学の輝かしい歴史と伝統に、恥じないよう、全力を挙げて取り組みます。これからも、これまで以上のご指導とご協力を、よろしくお願いいたします。

まなぶということ、労働者の誇り

向坂逸郎先生の言葉に「まなぶということは、つかみかかることである。誰かが何か与えてくれるものを、おとなしくそのまま受取ることではない。まなぶということは、どんなものにも働きかけて、それから栄養を吸収することである。」と言われています。

私が19歳の時、1967年2月、三池労組結成20周年記念集会に参加する機会がありました。その時、三池労働者の闘いと生きざまに、驚きと感動に震えたことを今でも忘れません。特に印象に残っているのは、三池主婦会や三池労組の方々との夜の地域交流会で、「労働者でよかった、労働者として生きることに誇りを持っている」と言われた年輩労働者の言葉です。なぜか何もわからず感動しました。この言葉は、今日まで私の生き方の指針となっています。

マルクス主義の学習以外にない

学習会は、続けることが何よりも大切です。学習会は、ただ学習するというだけでなく相互討論を通して参加している仲間が同志意識を持つようになり、運動の中で協力して活動するようになります。そのように変化・成長して組織的な力に発展します。

それでは何を学ぶのか、それはマルクス主義です。マルクス主義は、額に汗して働く労働者の思想だからです。現在の資本主義社会の矛盾が、どこから出てきているのか、どういう風に解決されるのか、この世の中の改革には、労働者階級が中心とならなければならないことを自覚するようになります。資本主義社会の具体的な現象から本質を見抜くことを学ぶには、マルクス主義の他にないのです。

資本主義とはどんなに冷酷なものか、合理化とは何か、労働者はなぜ組織的に結集しなければならないのか、を理解し合うようになります。反合理化闘争とは階級的組織づくりであり、職場闘争こそ階級闘争の土台であることを、三池労働者運動は、闘いの中で学び組織してきました。

労働者運動の後退の原因、総括運動に学ぶ

戦後、労働運動の中で、最も困難だったのが職場闘争であり、残念ながら最も不十分だったのが職場闘争であったと言われています。

総括運動から出された、反合理化職場抵抗闘争の意義の追及について、

   反合理化闘争の主体的力量、つまり組織づくりをぬきに論じることはできない。反合理化闘争とは、階級的組織づくりにほかならない。

   大衆路線と無縁な反合理化闘争路線は、ありえない。

   職場闘争が、資本主義の基本矛盾にそった最も科学的、階級的闘争形態である。

   労資関係は、基本的に「不安定」であり、その「安定化」はあり得ないという路線。

   反合理化闘争の基調は、資本の非人間化に対する労働者の人間性回復闘争である。

マルクスによって起草され、1866年のゲンフにおける国際労働者協会第一回大会で採択された『労働組合、その過去・現在および将来』にも通ずる視点だととらえることができます。

資本主義体制がつづく限り、労働者に対する搾取強化がつづきます。労働組合の反合理化闘争の終局目標は、資本主義体制の変革、というところまでいかなければならないのです。「賃金よりも団結を」という思想を確立することです。

1989年11月21日、総評労働運動が解体され「連合」になって32年、「反合理化職場抵抗闘争」は死語になっています。しかし、拡大する資本主義の矛盾に立ち向かうには再度この問題意識をもって階級的労働運動の再建をはかることが求められています。

労働大学の果たす役割

私たち労働大学の任務は、マルクス・レーニン主義思想をまなび、広めることです。全国の職場と地域に、大衆学習運動、総学習運動を組織することです。

具体的には、全国各地で取り組まれている大衆学習運動としての「労働大学まなぶ友の会運動」の強化・拡大です。資本に対する怒りを組織する『月刊まなぶ』拡大運動です。これらの運動を通して培われた、相互討論による人間としての成長、労働者階級としての自覚と誇りです。私たちは、根を伸ばし、根を広げ、粘り強く寄り添い仲間を組織することです。

私たち労働者は、唯物史観と『資本論』に学び、労働者階級の歴史的使命を自覚し、科学的社会主義に不動の確信をもって生き抜く人間になろう、と確認し合い、今日まで努力してきました。

目指すは、人間性回復、人間解放

労働者の哲学はまず、労働者が労働者であることに誇りをもつというところから出発します。目指すは人間性回復、人間解放のたたかいであり労働者の世界観を持つことです。

人は、徹底的に考えぬき、全力をあげて努力したとき、どんな困難にも負けない力を身につけることができる、と言われています。その源は、資本に対する怒りです。階級及び階級闘争を自覚することであり、資本主義的常識を打ち破り可能性を高める努力です。

そのためにも、『賃金・価格および利潤』の学習に引き続き、肩ひじを張らずに各県に『資本論』研究会を立ち上げ、組織することを提案します。

私たちは、これからもゆるぎない確信をもってたたかいぬく決意です。焦ることなく、亀の一歩一歩の前進を仲間と共に着実にはかることです。健康を第一にしながら、共に頑張りましょう!

  第17回労働大学総会



昨2020年11月開催予定の第17回労働大学総会は、コロナの全国的拡大により延期となり、21年4月25日、ズームオンライン形式で全国を結び開催されました。参加者は延べ50名を数えました。
10分短縮して13時20分から総会を開催いたしました。
 会議は、事務局次長高井豊治さんが司会者の挨拶と、この間ご逝去された2名の会員と学長坂牛哲郎さんへの黙祷に始まりました。労働大学に送られてきたDVD「坂牛哲郎さんへのお別れの葬儀(無宗教で行われたため、家族が主体の)」を、オンラインにより全員で見ることができました。その後、議長の労働大学運営委員奥山信義さんの挨拶と議事日程の説明を受け開始されました。議事日程に沿って以下、列記していきます。
* 宮坂要副学長から問題提起を受けました。内容は、これまでの自分が歩んできた労働運動=階級闘争への確信と、私たちの今後の果たすべき役割について「階級的労働運動の再生」について厳しいご提起がされました。
* この一年間の総括と議案提案は飯田邦雄労働大学事務局長から、行われましたが要点のみの提案です。20年11月に17回総会議案は全員に配布されていたからです。
* 一般会計・事業会計の決算および予算案の提案、労大強化基金および第五期労働大学中央講座会計報告。そして、会計監査から「組織と財政」について厳しい監査報告がありました。
            
* 質疑討論。企画編集委員の真鍋知巳さん、稲葉耕一さん、荒畑正子さんから労働大学前進のための「激励」の言葉をいただきました。

準備された発言者の要点を順番に
* 九州熊本県協Tさん。電電公社に就職されてからの苦闘の報告が冒頭にありました。労働組合とのかかわりの中で「まなぶ運動」と出会ったことなど報告されましたが、特筆されるのが「個人購読」への取り組みにありました。労働大学を「雲の上」と感じていたそうですが、43年前のきっかけを大切にされた報告でした。
* 四国高知県協Kさん。『月刊まなぶ』が毎回編集に変化があり、マンネリ化することなく有意義な時間を学習会で過ごしている、と報告がありました。学習会で一番若い越智さんですが、「仲間にまなぶ」その態度は、今後の『月刊まなぶ』の拡大、友の会運動の前進が見られたと思います。
* 四国香川県協のMさん。Mさんは歴史的総括を先ほどのTさん同様報告されたことが印象に残りました。報告の中で活動の取り組みをこれほど丁寧に取り組まれているとは、感じ入っておりました。少し詳しく説明を加えます。学習会への呼びかけ、読者候補への取り組みです。「『月刊まなぶ』を読んでもらうため、A3用紙1枚程度に毎月、簡単な『月刊まなぶ』の内容と学習会の案内表示をし、手渡し、郵送し、学習会に参加しやすいように」取り組まれている様子です。Mさんは「往復運動」を大切にし、手渡した『月刊まなぶ』の感想を求めているようです。
* 四国徳島県協のOさん。「青年の強化をめざして新しい学習会の発足」ということで、自治労三好市職労働組合連合会の次世代を担う青年を中心とした「人生のメリーゴーランド」と名付けた学習会立ち上げです。うれしいことですが、事務局を担うのが、第六期労働大学中央講座を受講するAさんだということです。この学習会の特徴は、曜日や時間にとらわれず、「全員が参加できる日時」で努力されていることです。そして、「人生のメリーゴーランド」も結成してから3ヵ月が経過したとのことですが、学習会メンバーに負担を感じさせないことが今日的といえるのではないでしょうか。目的を追求するためにその「組織性」と組織的指導性を学び取れました。
* 東京東部協のSさん。はじめは自分自身の総括です。「もう一人の仲間づくり」を言いながら、減らしてしまった自分の所属する第一学習会の中身です。その原因を学習会で討論する中で、仲間の、会員間の信頼関係が欠けていたことに気づいたことです。
そして、『月刊まなぶ』の拡大の報告には力がこもっていました。一つは、荒川地区協でのSさんの我慢強い仲間へのかかわりです。青年参加の学習会を辛抱しながら3年続けてきたことで、2名の有料購読者を拡大しました。二つは、駅友の会Gさんの「家族ぐるみ」の取り組みの中から、婿さん二人に2冊を増やした報告です。Gさんは闘病中にもかかわらず、家族ぐるみの大切さを私たちに教えています。
* 東京南部協のTさん。報告は、組織的取り組み「横と縦の糸」のかかわりについてのもの、そしてもう一つが、「年間方針」に基づいた「もう一人の仲間づくり」です。最初の「糸」の問題は、かかわり方を見逃さない構えです。そして、人間関係の中から(横の糸)から組織的(縦の糸)な取り組みを通した会員拡大に結び付けました。第二の「年間方針」でしたが、「仲間を意識する」ということの大切さです。特に、県協、友の会の枠にとどまることなく、それを繋げあう努力です。古典を学びたいという仲間に対しては、丁寧に対応しています。結論や押し付けの討論をするのでなく、担い手が、どうしたら理解されるのか、で取り組んでいます。たとえば、『賃銀、価格および利潤』(月刊まなぶ連載中)の学習の中で「なぜドイツ社会民主党は、労働組合をファシズムに譲り渡したのか」について質問を受けると、次回学習会では「チャップリンの『独裁者』というDVDを鑑賞し、肩肘張らない学習会」を目指す努力が報告されました。
* 関東埼玉県協のYさん。『月刊まなぶ』が200号を昨年8月号で達成したことにとどまらず「もっと『働く者の本として進化してほしい」「闘いの武器」として進化しなさいという𠮟咤激励でありました。ほとんどは情勢認識を一致させるための提言でしたが、そのための『月刊まなぶ』の強化です。そのため具体的な提案が3点。全国のユニオン運動を北から南へつなぐ、これを誌面で扱ってほしいといいます。貴重な提案です。真剣に考えるべき課題だったと思います。さらに、茨城県のMさんが青年らしく、はつらつとした態度で、青年労働者として成長された発言が光りました。

 新役員及び企画編集委員委嘱の人事提案
 全体集約・須藤行彦副学長・(集約内容は別紙で添付)
 議長解任
 団結ガンバロー三唱 
発声須藤行彦副学長
 閉会のあいさつ 司会・高井豊治
 以上の概要でした。



*宮坂副学長問題提起
第17回労働大学総会 問題提起
――階級的労働運動をめざして――

2021年4月25日 
労働大学副学長 宮坂 要

坂牛哲郎学長の逝去を悼む
2003年に労働大学再建にあたり、実践と理論を指導され、その後の労働大学の発展に全精力を傾けていただいた、坂牛学長が2021年3月12日にご逝去されました。つつしんでお悔やみ申し上げますとともに、生前から、ご支援とご協力いただいた皆様にご逝去のご報告をいたします。

1.今日の情勢
この一年は大変な年になりました。世界を揺るがす新型コロナ感染症の蔓延は収まるところを知らず、昨年1月から1年以上国民生活を苦しめています。二度目の緊急事態宣言解除後の4月になって変異株もあり、第4波の感染拡大に見舞われています。
このコロナ禍の中で安倍政権から菅政権に代わり、その政権運営はコロナ対策の後手後手感や、長男の接待問題など不祥事が相次ぎ、政権支持率は発足時の65%から急落し30%台となって国民の支持を失いつつあります。
このような中、労働者の状態はどうかというと、サービス業、非正規雇用労働者の失業・雇止め、雇用不安と在宅勤務による過密労働へと追いやられています。
労働組合や政治運動、市民運動は、集会や交流が規制され十分な交流ができず運動の停滞が懸念されます。私たち友の会運動においてもこの一年多くの活動が中止となり、本日の労大総会もズームミーティングによるリモート総会とならざるを得ません。
この困難を乗り越えるために全国の仲間の団結力と英知を結集して活路を切り開いていきましょう。

2.『まなぶ』を使って学習会
私は国労甲府支部青年部長の時に、60年安保闘争を経験し、私もちょうど非番公休の度に国会前デモ行進に参加しました。この経験によって大衆闘争の大切さを学ぶことができました。
この安保闘争と同時に三池闘争の現地に行きました。この三池闘争でまなんだことは本当に大きかったと思います。この60年安保闘争と三池闘争が私の労働運動の出発点だと言って過言ではないと思います。
そんな青年部運動の中で、労働大学で1960年の安保闘争の前後に『まなぶ』の月刊誌が初めて発行されたんですが、その『まなぶ』を使っての交流と学習会を甲府でやろうとなりました。国労だけでなく郵政の貯金局が婦人部の活動が盛んで、また、国鉄の構内には日通の職場もありましたから日通の青年婦人部のみなさんを中心にしてですね、青年婦人部の学習会を『まなぶ』の発刊を契機に毎週行われました。ここで本当に学習の大切さというものを知ることができました。

3.国鉄甲府闘争~家計簿は泣いている
そんな青年部運動を足掛かりにしまして、甲府支部の書記長、委員長をやらせていただき、当時の国鉄甲府闘争をたたかいました。この甲府闘争で特徴的なのは「家計簿は泣いている」です。これは三池の主婦会の闘いに学んで、国労も家族と一緒に闘う必要があるということで家族会がつくられ、賃金闘争していく場合も家計簿をちゃんとつけて、自分の生活の実態をお互いにつかんだうえで要求を出していくということで、家計簿づくりを始めました。この闘いはあちこちからいい評価をいただきました。
4.反「マル生」闘争と国労反合研
そんな闘いを進めていく中で、ついに出てきたのが70年マル生闘争。マル生というのは生産性向上運動の略称なんです。このマル生運動で国労から脱退させる。「お前生産性上げなきゃ国鉄に居られない。生産性上げるためには組合運動なんかやってちゃだめだ」「国労から抜けろ」という、駅長や助役という職制が国労からの脱退を強要したんですね。それで、函館全国大会で中川委員長が「座して死を待つより、立って反撃に転じよう。」という有名な言葉によって、不当労働行為を全国的に摘発する運動が進んでいきました。ついに国会でも政府を追及して、結局当時の磯崎国鉄総裁が国会で誤ったという状況まで追い込んでいきました。
国労反合研運動に実は向坂逸郎さんも毎月泊まり込みで参加してくれたんです。また、三池労組出身の灰原さんは最後まで付き合う。深夜2時3時まで付き合う。この交流がよかった。この国労反合研の運動が全国に広がり、反マル生闘争が前進し、本当に国労らしい運動になる大きな力になったと思います。今もこのような学習と交流の運動が労働組合を強くし前進させるために非常に重要だと思います。

5.国鉄闘争をたたかい
ところが国鉄労働組合を目の敵にして攻撃してきたのが、中曽根です。この中曽根が総理大臣になりまして、国労を叩けと。「国労をつぶせば総評はつぶれる。総評がつぶれれば社会党がつぶれる」と言って攻撃してきました。「臨調行革」で国鉄再建監理委員会がつくられ、国鉄を分割民営化法案が出されます。清算事業団へ入れられた人たちは8000名に上りました。最後まで再就職せず首を斬られた人は1047人。国労はこの1047人の犠牲者をどうやって守るか、私はそのころ国労本部の書記長になっていましたから、この清算事業団で首を斬られた組合員をはじめとする国鉄分割民営化でひどい目に遭った人たちを、何としても救済しようという取り組みを皆さんの応援をいただいてやってまいりました。最終的には中労委のあっせんもあって一定の条件でこの国鉄闘争が終結をしましたけれども、まだまだいろいろな問題点を残しながら今日まで来ているという状況です。

6.階級的労働運動の再生をめざして
さて、この国鉄闘争をたたかって思うことは、やっぱり労働運動を本当に労働者の身になって労働者を救う、そういう労働運動にしなければだめだとつくづく思います。じゃあ、労働者を救うために労働組合はどういう風に強化していくか、それは階級的な労働運動の強化をしていくしかない。そのためには、労働大学のまなぶ運動、三池闘争に学んで今まで非常に前進してきている労大まなぶ友の会運動が非常に重要だという風に思います。
そして、労働大学まなぶ友の会運動を基礎にしたそれぞれの職場闘争を再生させて、一つ一つ権利闘争を前進させる。そういう職場からの地域からの労働運動の前進が、労働者の一つひとつの問題を解決していく近道になっていくんじゃないかなという風に思います。
私自身も三池闘争に学び、労大まなぶ友の会運動で労働者意識を身につけさせていただきました。私は、昭和8年生まれですから年も取っていますが、まなぶ友の会運動を軸に一生労働運動の前進のために頑張り抜いていきたいと思っています。皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います。
ありがとうございました。
 宮坂副学長問題提起PDF

 
*第17回労大総会 集約(須藤副学長)

      第17回労働大学総会・集約  2021年4月25日 須藤行彦
ゆるぎない確信をもってたたかいぬく

坂牛哲郎学長の意思を受け継ぎ、思想的発展を
2003年に労働大学再建にあたり、実践と理論を指導され、労働大学学長として、その後の労働大学の発展に全精力を傾けていただいた坂牛哲郎学長が、2021年3月12日にご逝去されました。享年・95歳でした。坂牛哲郎学長のご逝去をいたみ、心より哀悼の意を表します。
坂牛哲郎学長の著書『社会を変える、自分を変える』の「あとがき」に、「資本主義は強大に見える。しかし、それはハリコの虎である。敵は拡大する諸矛盾に、のたうちまわり、労働者・市民を食い殺し、傷つけているのである。この虚像の実態をはっきりつかみ、現実のたたかいを一歩前進させるために、この本は書かれたのである。この本を武器とし、足りないところは自らの英知により、補い、ゆるぎない確信をもってたたかいぬくことを心から願う。」と記されており、私たちの運動にたいする期待と成長を願っています。
私たちは、坂牛哲郎学長の意志を受け継ぎ、労働大学の発展のために、科学的社会主義、マルクス・レーニン主義思想に学び、大衆学習運動を全国の職場と地域にひろめていくことに、全力をあげて取り組む決意です。
労大闘争は思想闘争である
労大労組支援共闘会議代表・坂牛哲郎として指導された「労大闘争は思想闘争である」の問題提起について、労働大学再建の原動力となり、今日でも私たちの教訓として、労大運動前進への礎になっています。
2001年8月26日に労大労組支援共闘会議発行の『大衆学習運動の灯をまもる』のなかで、「…労大の理念を捨てた指導部が、その理念を忠実に守りたたかう被解雇者らを異端として思想差別し、遂には解雇したのである。『まなぶ友の会員』たるものはすべてこの事実から目を背けてはならない。労大再生の道は、今次労大闘争を、単なる馘首反対闘争に限定することなく、はっきり思想闘争として位置づけ解雇を撤回させること以外にない。友の会員には、この点の理解がまだ不充分である。労大指導部の変質を単に運営上の非民主主義と考える人が多い。問題はもっと深いところにある。階級的視点を失えば、理論は崩壊してゆくのである。思想、学習集団として成立し得なくなった結果の財政危機なのである。」と、問題の本質を明らかにし、私たちに警鐘をならしています。
マルクス主義の学習以外にない
今日の資本主義社会の改革にむけて、労働者階級が中心とならなければならぬことを学ぶには、マルクス主義の学習以外にありません。マルクス主義は、額に汗して働く労働者階級の思想だからです。1867年に出版した『資本論』第一巻の序文にマルクスは、結びの言葉として「汝の道を行け、そして人々の語るにまかせよ!」と書いています。徹底的に考えぬかれた『資本論』への確信が、この短い言葉のうちに表わされています。
資本主義とはどんなに冷酷なものか、合理化とは何か、労働者はなぜ組織的に結集しなければならないのか、反合理化闘争とは階級的組織づくりであり、職場闘争こそ階級闘争の土台である、三池労働者運動は、闘いの中で学び組織してきました。
再建労働大学の「中央講座」が、坂牛哲郎学長の指導の下に始まり、私自身学んだことがたくさんありますが、特に学習に対する態度です。与えられた問題・課題についてのレポート提出で、採点されるという経験をさせていただき、問題のポイント、本質を掴む学習の重要性を学びました。読書についても、柱をすえた学習態度と、読みながら考え、考えながら読むようになりました。私自身にとって、大きな一歩でした。中央講座参加者の皆さんも、きっと同じ思いを持ったと思います。
資本主義社会の本質解明と仲間意識、同志意識
私たちにとって一番必要なことは、今日の社会の根本的な矛盾を知らなければならないということです。具体的な問題、課題を議論することはもちろん重要ですが、資本主義の本質を解明する学習が大切だと思います。私たち労働者は、唯物史観と『資本論』に学び、労働者階級の歴史的使命を自覚し、科学的社会主義に不動の確信をもって生き抜く人間になろうと、確認し合い努力してきました。
もう一つ大切なことは、学習と相互討論を通して、仲間意識、同志意識をつくりあげていくことです。労働者階級の唯一の力は、組織的な団結力以外にありません。よりよく生きるためにも、各人の個性を生かす協力体制が必要です。内外の五人組運動をとおして、特に外部への一歩踏み込む勇気と、人間的なかかわりの中で組織することです。日常的な話し合いによる信頼関係の構築です。その担い手は、第一学習会による会員の成長と団結です。
目指すは人間性回復、人間解放
労働者の哲学はまず、人間性回復、人間解放の哲学であるということです。それは、資本の非人間性にたいする抵抗闘争としてはじまります。競争と差別の職場支配に抗する闘い、労働者への分断攻撃に立ち向かう組織づくり、国鉄闘争からも学びました。人間の価値をきめるのは歴史です。私たちは、この歴史の発展に寄与することに自らの生きがいとして、生涯かけてとりくむ以外にありません。闘い一生、学習一生、社会主義に対する熱い思いです。
私たちが困難を乗り越えて、一歩踏み出す力は、自らが労働者として生きることに誇りをもって、仲間と共に力を合わせ、ゆるぎない確信をもってたたかいぬくことです。
本日、皆さんから貴重な意見として出された成果と課題について、困難な条件を乗り越えて一歩前進させるためにも、将来を見据えた事務局体制の早急な補強と、「まなぶ友の会」運動と一体になって、大衆学習運動を前進させていく努力を積み上げていきます。
労働大学再建、2004年1月号として『月刊まなぶ』の発刊を実現させて以来18年目に入っています。編集部の並々ならぬ努力や、多くの先輩方、仲間の執筆と意見、感想等々で中身も充実してきました。本日、編集内容について問題提起された点については、編集会議で検討させてください。
『月刊まなぶ』拡大運動は、労働大学運動の柱でもあり、資本に対する怒りを組織する具体的な運動です。私たちはもっと大胆に、すそ野を広げる拡大運動に全力をつくし、皆の手に『月刊まなぶ』を!です。ありがとうございました。
 須藤副学長集約PDF

 
第16回労働大学総会
11月17日14時、ほっとプラザ晴海において、第16回労大総会が開かれました。
議案と財政の提案・質疑討論後、総括と方針・会計報告・予算案が満場一致で承認されました。


第15回労働大学総会
11月18日14時、ほっとプラザ晴海において、第15回労大総会が開かれました。

第14回労働大学総会


11月19日14時、ほっとプラザ晴海において、第14回労大総会が開かれました。
議案と財政の提案後、4名の方から発言があり、総括と方針・会計報告・予算案が満場一致で承認されました。
詳細は「第14回労働大学総会議案」を参照願います。

 


11月20日14時、ほっとプラザ晴海において、第13回労大総会が開かれました。
議案と財政の提案後、4名の方から発言があり、総括と方針・会計報告・予算案が満場一致で承認されました。
最後に宮坂副学長の団結ガンバロウで新年度に向かって決意を固めあいました

 


第13回労働大学総会 集約

労働者として生きることに誇りを持とう
                   労働大学副学長 須藤 行彦
日本の格差社会の現実を前にして

 全国の仲間の皆さん、ごくろうさまでした。三池の労働者が言った言葉で私の生き方の中心になっているのが、「労働者として生きていることに誇りを持っている」という言葉です。この意味をじっくり考えていただきたいと思います。
昨日の新聞に世界の男女平等ランキングが載っていました。日本は、総合で111位、賃金格差では118位、報道自由ランキングについては、日本は72位です。これで何が民主主義国家か、ということです。
 安倍内閣の閣僚19人中15名が、最大右翼組織「日本会議」のメンバーで、日本の政治はまさに「日本会議」に牛耳られているんです。この実態について大手主要な新聞はあまり取り上げませんね。私たちはなぜこの実態を許してしまっているのか、この問題を本気で考えなければならないと思います。

日本の労働法制改悪の歴史
 
 労働者の立場から言いますと、今、労働法制の改悪が非常に問題になっていますね。労働法は、資本主義社会の矛盾の中から生まれてきているんです。イギリスの産業革命の中で労働者は厳しい長時間労働の実態で、しかも12歳以下の子供たちも労働に駆り出されてみんな病気で死んでいるんですね。当時の労働者の平均寿命は20歳代ですよ。こういう状況の中でこれでは資本主義は続かんということで、労働者を守るためではないんですよ、資本主義を守るために1833年にイギリスで12時間労働制という「工場法」ができるんです。
日本の場合も1911年(明治44年)「工場法」ができます。これも12時間労働制ですが、当時の日本でいうと女工哀史の書かれた時代ですね。これも日本資本主義を守るために作った。これも矛盾の現れですね。
 その後労働者の闘いがありましたけれど、日本の場合は敗戦によって非軍事化と民主化政策ということで「5大改革」というのがやられるんです。①婦人の開放②労働者の団結権の保障③教育の自由化④圧政的諸制度の廃止⑤経済の民主化です。この中の労働者の団結権の保証がいわゆる労働三法ですね。労働組合法・労働関係調整法・労働基準法の三つです。日本国憲法は、1947年5月3日に施行されましたが、この労働三法はその前にできているんです。労働組合法は1945年12月、労働関係調整法は1946年9月、労働基準法は1947年4月なんです。前にできましたが日本国憲法の考え方を基本にできています。私たちが言う労働基本権という考え方に、一つは憲法25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とある、これは生存権です。27条では「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」これは勤労権です。28条で「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」これは団結権です。この三つがそろって労働者の基本権と言われます。
 これは憲法が根底になっているということです。この旧組合法は1949年に全面改訂されまして現在の労働組合法になっています。労働基準法の第1条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」と述べています。ILOの労働法に基づいて作ったんですが、しかし、ここに重大な不備、逃げ道があったんです。36条(36協定)に労働組合または過半数の労働者と協定を結んだら、労働基準法の規定を超えても構わないという条文なんです。労働組合が一定強い時には規制ができていたんです。私たち全逓時代も一日最高2時間、月最高何時間という規制があったんですが、今はこの規制が事実上ありませんね。このことが悲惨な実態を作っています。したがって、日本は現在もILOの労働時間関係の条約は一本も批准していません。日本は後進国なんです。

日経連「新時代の『日本的経営』」による改悪  

 47年の労働基準法は、1日8時間・週48時間の労働時間法を作りましたけれども、36条に基づく労使協定により時間外、休日労働を容認して逃げ道を作りました。しかし、1985年に「労働者派遣法」とか「男女雇用機会均等法」ができ、女性の残業規制緩和などの問題がありましたが、労働基本法が基本的に変わったのは1987年、週休二日制の問題ができまして、週40時間・1日8時間制に変わりました。順番が狂ったんです。これは大きな変化だったんです。基本が一日でなしに週単位になったんです。ですから一日11時間労働でも構わないという考え方ですね。そして、変形時間制の導入・拡大がされていったんです。フレックスタイム制とか裁量労働制ですね。
 一番問題なのは労働基準法が1947年から40年間ほぼ基本的には変えられなかったが、1987年に一気に労働法制が悪化していく。それはなぜか、1985年には「プラザ合意」があって日本の独占資本は海外へ進出して多国籍資本となっていきます。世界の多国籍資本と闘うには、日本の労働条件を下げる、賃金を下げる。これがなかったら競争できないという名目のもとに労働法制が一気に改悪されていったのです。ここをきちっと押さえる必要がありますね。具体的には1995年、当時の日経連は「新時代の『日本的経営』」の中で労働の在り方を三つのグループに分けました。長期蓄積能力活用型・高度専門能力活用型・雇用柔軟型です。これのよって非正規社員が拡大するスタートでもありました。その時に言われたことは「これからは、働いている労働時間の長さに重きを置くのではなく、働いた成果によって従業員の仕事ぶりを評価し処遇するとの視点に切り替えることが必要である」と。今、安倍首相がしきりにこれを言っているんです。この典型がホワイトカラー・エグゼンプションですね。今は名前を変えて高度専門事務・成果型労働とか高度プロフェッショナル労働制とか名前を変えていますが本質は同じです。資本主義が始まって以来労働時間に対する賃金制度だったんですね。出来高給も基本が労働時間制です。しかし、安倍内閣が今やろうとしていることは労働時間と賃金を切り離そうとする攻撃なんです。これが本質なんですね。

労働者思想で反撃を
 
 この考え方を私たちは労働者思想を持って撃退していかなければなりません。今後の闘いで、私たちは、誰のために何のために闘うのか。労働者は闘わなければ権利は守れないし、「権利は使わなければ権利ではなくなる」これは、労働者思想、階級的思想がなければ現場ではなかなか難しい問題ですね。困難だからこそ、労働者階級の闘いによって反撃していかねばなりません。この思想的基盤づくりを、労働大学が担っていこうということですので、皆さんと、一緒に頑張っていきたいと思います。

12回労働大学総会の概要

 

12回労働大学総会は、全国県協連総会に引き続き開催され、坂牛学長から取り巻く情勢、市原副学長からは問題提起をいただき、飯田事務局長から年間総括と方針、南部次長から財政収支決算、奥山監査委員報告と続き、4名から総括討論が行われ、最後に新たに副学長に就任された宮坂要さんから全体集約をいただき、成功裏に開催されました。





第11回労大総会の報告について

 総会は11月23日、勝どき区民館で開催されました。『労大の仲間』の全員合唱で総会の幕を開けました。議案書の総括及び方針は、労大強化方針の4年目を迎えた総括、そして最終年の5年目の到達闘争の方針が提起されました。その後、参加の皆さんから前進に向けた力強い発言がありました。低迷する階級情勢ですが、大衆学習運動を積み重ねる中で前進が勝ち取られている等の報告がありました。発言要旨については省略いたします。

 特に今総会では、仲間たちの協力でHB『成果主義とのたたかい』が発刊され、さらに『月刊まなぶ』誌上で四国ブロックを中心とした仲間たちでHBの学習講座がもたれることの報告がされました。

 この講座の背中を後押ししたのは、15ヵ月続いた関東ブロックによる「職場と生活に憲法を活かす」だ、との報告もありました。

 さらに、強化方針の最終年の5年目に入るわけですが、労働大学再建にあたって確認された「学習 反合理化 社会主義」の基調のもとに更に一層大衆学習運動の推進を確認したところです。学長・副学長も今後の運動の前進に向けた問題提起をされ、全員で確認致しました。

 人事では参加者全員で、須藤行彦さん(県協連会長)の副学長就任を確認し「理論と実践」の結びつきの指導に期待したところです。一部関東ブロック女性運営委員の交代も含め人事提案も全体で確認しました。

 総会を締めくくったのは『インターナショナル』の全員合唱でした。歌声は会場に満ち溢れていました。

5年目の到達闘争、強化方針を推進してまいります。


労働大学とは

はじめに

 1954年に創立した労働大学は、東京における本科講座を起点に、60年の『まなぶ』の創刊、安保と三池のたたかいを通して、全国に広がっていきました。職場と地域に、無数の学習会を組織し、やがて、まなぶ友の会として、組織的な学習運動を展開することになりました。
  第二次大戦後の経済復興期に創立し、高度経済成長期に拡がり、日本社会党と、総評労働運動の中で、日本における社会主義革命と、階級的労働運動の構築をはかることをめざしてきました。
 50年の歴史を刻んだ労働大学は、2003年5月31日、その思想的変質のはてに、階級闘争を放棄し、資本に屈服した連合労働運動を容認し、偽装「解散」してしまいました。かねてより、思想変質とたたかってきたがゆえに解雇された仲間を中心に、真の労大再建を準備してきました。本日ここに、50年の歴史をふり返りつつ、新たな出発をしたいと思います。


歴 史

(1)25周年まで
 左派社会党の党学校として出発した労働大学は、その後、党の機関から離れはしたものの、労働者階級を代表し、階級闘争を担う党と労働組合の強化をめざし、全国の職場と地域に浸透していきました。とりわけ60年に創刊した『まなぶ』は、安保と三池のたたかいを通して、急速に広がっていきました。『まなぶ』の読者は、まなぶ友の会を全国に組織し、組織的な学習運動を追求しはじめました。67年4月、まなぶ友の会全国協議会が結成されました。『まなぶ』とまなぶ友の会は、労働組合の機関にも受け入れられ、党にも浸透し、社会主義運動の底辺を構築する役割を果たしてきました。職場活動家がその推進力でした。その職場活動家が、大衆学習運動を追求し、担い手となったのです。
 一方で、70年代の国家独占資本主義体制の破綻は、日本の労働運動、社会主義運動にも影響しはじめ、日経連の「大幅賃上げの行方研究委員会」の発足と同時に、職場闘争の抑圧、春闘の連敗、社会主義協会に対する活動規制等々の中で、改めて労大運動の総括が求められました。そして、労働運動、社会主義運動の前進のためには、大衆学習運動の必要性と、その主体性の強化がうたわれ、労大創立25周年集会で、その路線が確立されました。東京浅草国際劇場(当時)に全国から3000名の仲間が結集して確認されたのは、「労大運動とは一言でいって『大衆学習運動』だ、との規定が生まれてきました。これは、労大のこれまでの活動を総括するなかから必然的に導き出された方向だということができます」ということでした。

(2)右傾化と理事会による労大つぶし
 しかし、80年代の労働大学は、大衆学習運動の高まりとまなぶ友の会との一体化を恐れ、労働運動、社会主義運動の右傾化で苦しむ職場活動家に応えようとせず、総評解散、社会党崩壊に際しても、何ら方向性を示せず、事実上労働大学の役割を放棄し、労働者に見限られてしまいました。
  90年に発足した理事会は、連合路線を否定せず、社会民主主義に傾斜し、合理化に次ぐ合理化で、11人の「戦線移行」によっても再建できず、ついに、99年11月、労働大学労働組合員3名の指名解雇を強行してきました。首切りを容認する思想に変質したのです。

(3)解雇無効に従わず、偽装「解散」
 99年3月の希望退職募集にはじまった首切り合理化は、労働大学の思想変質の総仕上げとしてかけられてきた攻撃でした。それだけに、労大労組のたたかいは、単に解雇撤回にとどまらず、真の労働大学の再建をめざし、勝つまでたたかうということで進められてきました。同年11月の解雇は、地位保全の仮処分申立で、3名のうち2名勝利し、その力は、本訴においてもさらに大きくなり、02年12月17日、3名とも勝利する判決を勝ちとりました。
 この勝利は、弁護団の奮闘、労働組合上部のご指導、各争議団の連帯、家族の支えがあってのことでしたが、それにも増して大きな力となったのは、全国に組織された支援共闘会議のみなさんの力です。裁判の傍聴はもちろん、60回を数える抗議集会にも、少ない年休を割き、小遣いをやりくりして交通費を捻出し、明け番で眠い目をこすりながらの参加でした。こういうたたかう仲間のご支援と共闘が生み出した勝利でした。
 しかし、理事会は、この判決を不服として、東京高裁に控訴しました。その理由は「労働大学のような政党類似の団体においては、思想が違えば解雇もできる」という、恐ろしい思想差別でした。さらに許せないのは、この控訴審で勝てないと見るや、とうとう「解散」してしまったのです。90年に「財政再建」を旗印に乗り込んできておきながら、その本性は、労働大学の思想変質であり、新自由主義のもとでの階級闘争の圧殺をねらった資本の攻撃の容認だったのです。
 しかし、理事会は、「解散」前に職員組合に業務を譲渡し、「労働大学出版センター」を名のって『まなぶ』や『月刊労働組合』の発行をつづけさせています。理事会の変質した思想を容認する立場から業務を続けていることは、労働者階級に対する裏切り行為であり、断じて許すことはできません。しかも、地方組織をつくりながら、早くも「再建」の機を窺っています。真の労働大学の再建は、「労働大学出版センター」の業務を止めさせるまで終わりません。理事会の残滓がなくなるまで終わりはありません。

再 建

労働大学は、偽装とはいえ「解散」したいまこそ再建のときです。それは、日本の階級闘争にとって労働大学の存在は不可欠だからです。したがって、この機会を逃さず、躊躇せず、進んでいかなければなりません。敵よりも早くです。
再建労大は、「大衆学習運動を通して、科学的社会主義を追究し、労働運動、社会主義運動の担い手をつくり、その前進に寄与する」ことを基本理念とします。したがって、創立25周年に確認した通り、組織的なまなぶ友の会がその中心となって推進し、責任をもちます。そのためにも、一日も早い全国協議会の再建が望まれますが、当面以下のような機構で運営していきます。

(1) 機構と運営
①労働大学運営委員会は、労働大学の活動、運営に責任をもつ
委員会で、友の会の総会で選出されます。
*労働大学に、学長、副学長をおきます。
*運営委員会に、委員長、企画編集委員長、出版局長、事務
局長、運営委員をおきます。
  ②「まなぶの仲間社」企画編集委員会は、労働大学の委嘱を受け
て『月刊まなぶ』の編集企画にあたります。
*企画編集委員会に、委員長、副委員長、編集長、編集総務、
編集委員などの任務配置をします。
*編集会議を行い、編集スタッフ、通信員、取扱者、読者の声を
反映した誌面づくりの体制をつくります。
(2) 具体的な活動
①大衆学習運動の組織化
基本理念にもとづき、全国の職場と地域に、労働大学まなぶ友の
会を組織します。労働大学の基本的な活動です。
②『月刊まなぶ』の発行
『月刊まなぶ』は、「まなぶの仲間社」が発行します。「はたらくもの
のほん」として、職場 、地域の労働者に広げていき、階級闘争の武
器として、また、もう一人の仲間づくりの媒体として、活用していきま
す。多くの仲間の手によってつくられ、活用されるよう、改善を重ねて
いきます。
 ③出版活動
   学習テキストや、長期・短期に活用できる出版物を発行します。
 ④各種講座
    学習会のチューター養成講座や、女性講座、労働講座、その他各
種の講座や講演会、交流会を組織します。
  ⑤その他
しかし「解散」間もない現状では、もう少し時間をかけて議論する必
要があります。運営委員長を委員長とする「規約起草委員会」を設置
し、一体化の方向をきちんと整理し、理解を広げていきます。

大衆学習運動


 大衆学習運動は、「学習 反合理化 社会主義」を基調として、全国の、職場と地域に、労働大学まなぶ友の会を組織してきました。友の会運動は、自らが成長していくための会員の第一学習会と、もう一人の仲間をつくりつづけるための大衆学習会を通して、学習運動を強化してきました。この学習は、四つの資本主義的な弱さを克服していくために、古典、資本、仲間にまなんできました。
  四つの資本主義的な弱さとは、第一に、「会社あっての労働者」という企業意識です。第二に、「生活が苦しいのは、自分の能力不足にある」という劣等意識です。第三に、「生き残るには競争に勝つしかない」という競争意識です。第四に、「たたかうと損をする」というものとり意識です。すべての労働者が、こうした弱さをもちながらも、人間らしく、働きつづけ、生きつづけたいと考えています。しかし、まなび、たたかいつづけなければこの弱さは克服できません。理論と実践の統一です。
 具体的には、職場と地域に、友の会を組織し、何でも話し合える条件をつくります。第一学習会と、大衆学習会=五人組活動により、もう一人の仲間をつくることを通して、あきらめたり、投げ出したりせず、労働者らしく生きていける条件をつくれます。仲間がいて生きられる、このことが、友の会運動を通してまなんできたことです。学習は、一人ではつづきません。まなび、たたかうもう一人の仲間をつくりつづけることが、今日の情勢の中で、人間らしく生きる道です。まさに、学習一生、たたかい一生です。このことを通して、大衆学習運動が前進するのです。

飛 躍

労働大学の「解散」という事態の中で、再建の準備がすすめられてきました。労働大学労働組合、労大労組支援共闘会議、『全協』再建をめざす労働大学まなぶ友の会県協連絡会議に、新社会党や社会主義協会の先輩諸氏のお力もいただいて、本日の再建集会をひらくことができました。
 再建にあたって、多くのみなさんに、再建基金の訴えをさせていただきました。労大闘争の継続中にもかかわらず、多額のご負担をお願いしてきました。一人ひとりの貴重な基金を大切にし、活動に役立てさせていただきます。しかし、今日までに集まっている額で決して十分とはいえません。さらに引き続き訴えていきます。
 再建の柱となっている『月刊まなぶ』は、「まなぶの仲間社」が季刊で発行してきた『まなぶの仲間』の経験があって踏み切ることができています。しかし、月刊誌としての課題は少なくありません。発行部数、内容、執筆者、編集技術、そして、何より読まれて活用されなければ意味がありません。全国の職場と地域で学習会が組織され、はたらくもののほんとして、大切にされ,親しまれていくことを願っています。
 再建ははじまったばかりです。着手したばかりです。再建集会は、あくまでも出発点であり、労働大学をつくっていくのは私たち自身です。今日の階級情勢にもとめられているのです。新しいものにも大胆に挑戦し、労働者らしい創意性、自発性を最大限発揮するとき、大きな飛躍があることをみなさんと確認したいと思います。自信をもって前進していきましょう。

       

2014年1月1日

労働大学 学長   坂牛 哲郎
    同  副学長   市原 芳樹
    同  副学長   今村  稔
    同 運営委員長  須藤 行彦
    企画編集委員長  須藤 行彦
    編 集 長    高原 敏朗
    事 務 局 長  飯田 邦雄
    企画編集委員及び運営委員一同

 このページの掲載者は:飯田邦雄


沿革

1954年  労働大学創立
1960年  「まなぶ」発刊
1967年  労働大学まなぶ友の会全国協議会結成
1980年  労働大学創立25周年集会
2003年  旧労大解散
2003年  労大再建
2004年 『月刊まなぶ』発刊

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