第20回全国交流集会の基調(第1次案)
はじめに
全国から結集された友の会員、読者、家族の仲間の皆さん、幾多の困難を乗り越え参加いただき、心から感謝を申し上げます。全国交流集会も回を重ねて今年で20周年を迎えました。関東、ならびに群馬の現地実行委員会の皆さんには受け入れ態勢を築いていただきありがとうございます。さて、本日、〇〇県協から〇〇〇名の仲間の参加を得ることができました。今日から明日までの2日間、よろしくお願いします。
20周年を迎えて
全協再建をめざし、友の会の第一学習会をたたかいの砦として『月刊まなぶ』を武器に、職場闘争を強化し、仲間を拡大し、あわせて家族ぐるみの運動を強化し、全国の職場と地域に「四つの課題を三つにまなぶ」大衆学習運動を広めてきました。さらに、偽装解散した労働大学を再建し、坂牛哲郎学長による記念出版『社会を変える、自分を変える』を刊行、総学習運動を展開し、改めて、古典にまなぶことの意義を掴むことができました。その内容は哲学、経済学、闘いの総括と展望、つまり階級闘争を闘い抜く思想から現代帝国主義の本質をとらえることができ、世界、日本で起こっている現象から本質を読み解く、知力に磨きをかけることができました。そして、資本にまなび、仲間にまなび続ける中から、日本の労働運動、社会主義運動の再建に寄与する思想的団結づくりに確信を掴むことができるようになってきました。
全国のすべての友の会員、読者、家族の皆さんとともに喜びあいたいと思います。
しかし、敵階級が、あらゆる戦線で私たちの運動を阻もうと網の目をはぐらして、その芽を摘もうとしています。それは支配する余裕からくるものではなく、いつその支配が喰い破られるかという危機の現れからくるものです。『共産党宣言』の第1章の最初の言葉を今こそ学ばねばなりません。
第1章
ブルジョアとプロレタリア
その最初は「今日まであらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」とあり、その最後には「かれら(ブルジョア)の没落とプロレタリア階級の勝利は、ともに不可避である」と締めくくられています。
この歴史的使命を私たちは学んできました。労働者階級が自覚し、職場生産点で、社会の主人公として団結してたたかうすべを学ぶことが可能ですし、敵資本はそれを最も恐れているのです。
しかし、今、職場では成果主義賃金体系のもと、差別と分断で団結が破壊され、労働法制の改悪、残業代ゼロ法案が制定されようとしています。これに、私たちはどう対応していかねばならないのでしょうか。兵庫のFさんの評価主義への反乱、高知のTさんのI評価への反乱は、本人たちの怒りと仲間の支援と共闘の力で勝利和解を勝ち取りました。小さなたたかいですが、あきらめず、たたかうことで展望は生まれるのです。これは大衆学習運動が少なからずかかわりえた成果です。これらのたたかいと運動にまなび横へ広げることで、搾取と収奪を強める資本とたたかう力を蓄えることができるのです。
ここに、20周年を記念し、改めて大衆学習運動に自信と確信を掴む全国交流集会にしていただきたく以下に基調を提案します。
安倍反動政権暴走の背景にあるもの
まず、私たちを取り巻く情勢はどうなっているのでしょうか。現在、安倍が進める自公政権は、経団連の求める日米同盟の強化のもと、集団的自衛権行使により自衛隊の海外派兵を法制化しようとしています。安保法制のもと「戦争のできる国づくり」へ突き進んでいます。それは、教育現場、原発再稼働、辺野古基地建設、そして中国主導のAIIBへの対応にもその反動性をあらわにしています。
第一は明らかな歴史修正主義です。竹島、尖閣列島は、日本の古来からの領土であるという修正主義に始まり、今新たに次の記述が教育の場へ持ち込まれています。それは、関東大震災直後の軍隊、警察、自警団による朝鮮人虐殺です。その犠牲者は6644人(在日朝鮮同法慰問班発表)。従来の記述「殺害は数千人」とありました。それを「数に通説はない」と修正しすり替えたのです。
自国を自画自賛するヘイトスピーチが、今度は教科書にどうどうと登場するヘイト教科書の出現です。
なんと時代錯誤の歴史観なのでしょうか。第二は、原発廃炉に湧き上がる世論、全国の反原発運動にも関わらず、再稼働を促す政策をかたくなに変えようとしない政治姿勢です。しかし、福島第一原発事故から四年余り、福井地裁は、高浜原発2基の再稼働差し止めの仮処分命令を決定しました。「福島事故の悲劇を繰り返さない」との決意を胸に原告住民のリスク(負ければ多額の損害賠償を請求)を恐れぬ訴訟の大勝利でした。司法には健全な裁判官が存在することをしめしたのです。また先ごろドイツのメルケル首相が来日し、ドイツではフクシマ原発事故の経験に学び、いかなる技術をもってしても放射能を除去することはできない。従ってドイツはすべての原発を廃炉にする選択を選んだと表明したばかりですが何も学んでいません。まったく時代錯誤も甚だしい頭の構造、これが安倍政権の特徴です。原発マフィアに侵された頭脳は、安全・安心を優先する政策ではなく、原発独占の利潤追求第一主義から解放することはできないのです。
第三は、辺野古への基地建設です。先の衆議院選挙では全選挙区で自民党候補が敗れ、沖縄県民に辺野古NO!を突き付けられたにも関わらず、辺野古への基地建設を強引に進めています。
「オール沖縄」の声を聞き入れようとしません。この態度に怒った沖縄県民は、絶対阻止する決意のもと反対運動を盛り上げると同時に、独自の辺野古基金を立ち上げ、さらには独自にアメリカに知事を派遣し、安倍政権に痛打を浴びせようと一歩前の行動に立ち上がりました。
第四は、AIIBへの加入を拒否し、米追従のTPP交渉をことさら急いでいることです。世界経済はグローバルに進行し、米ドルを基軸通貨とした通貨支配を破ろうとする世界第2位の経済大国にのしあがった中国が新たな中国主導のAIIB(アジアインフラ整備投資銀行)の設立を表明しました。これにのりおこれまいとG7の英、独、仏、伊がこぞって加盟し、中国元のアジア、アフリカでの支配影響がにわかに強まってきています。対米追従の日本は警戒を強めTPP(環太平洋経済パートナーシップ協定)交渉を早め、日米運命共同体を決め込んでいます。そのつけが日本の農業を破滅に導こうとしています。
この政権は、グローバルに展開する世界経済を読み違えています。今や、ドルの世界支配は終焉を迎えているのです。08年のアメリカのリーマンショックから発生した金融恐慌は、グローバルに恐慌を進行させ、ユーロの信用不安に波及し、いまだ危機は収まる傾向にありません。
のみならず、アメリカ、ユーロ圏、日本など、各国の中央銀行は無制限に自国の通貨を増刷することを促します。アベノミクスなるものは、これが背景にあり、実体経済から離れ、市場に氾濫した通貨は、いつバブルがはじけ、経済・財政破綻が襲い掛かるかわからない情勢にあるのです。
安倍政権の時代錯誤は揚げればきりがありませんが、この政権に未来を託することはできません。私たちは、このような情勢を捉えたならば社会主義政党の成長発展で政治の根本的改革を果たす以外にないのです。
「異次元の金融緩和」がもたらしたもの
次は経済の分析です。混迷を深める日本経済の元凶はどこにあるのでしょうか。
第2次安倍政権は、日本経済の立て直しを15年続いているデフレ経済からの脱却と位置付け、「異次元の金融緩和で2%のインフレを目指す」として、昨年から、日銀は、国の借金である国債を金融機関から買い付け、市場に大量のお金を流し続けてきました。この思惑は「大量に資金を流すことで金利を低く抑え、企業や消費者がお金を借りやすくする、これにより経済活動を活発にして、同時にお金が大量に流れれば物価が上昇し、結果としてデフレ経済からの脱却をめざす」というものでした。これは思惑通りいったのでしょうか。この結果、世の中に出回る資金量は緩和前に比べ約2倍の296兆円に膨張し、銀行が日銀に預ける当座残高は3.5倍に増えました。
しかし、金融機関の貸し出しの伸びは4.2%に過ぎず、巨額のマネーの多くは日銀に滞留したままという状態です。ほとんど実体経済に資金は投資されず、経済の好循環はもたらせませんでした。それに加え、消費税の5%から8%への増税が、消費への買い控えを呼び、2%インフレのシナリオは頓挫したままです。明らかに金融緩和策は失敗でした。その結果は、円安・株高をもたらしただけでした。大企業とりわけ外需輸出産業に依存する多国籍企業は利潤を欲しいがままに懐にいれました。とりわけ自動車メーカーの4社の純利益は過去最高益を上げています。トヨタ1.7兆円をはじめ、マツダ、富士重工、三菱自動車は、円安効果で海外販売が大幅益を上げたのです。また株式を所有している大株主は濡れ手に粟の高配当を手に入れたのです。
しかし、一方、労働者の生活はどうでしょうか。消費税増税と、円安のあおりを受け、3月以降の物価が軒並みに値上がりし、生活破壊だけが残りました。労働者全体の実質賃金は、この15年間、下がり続けており、ますます富裕層と低所得者の格差は広がるばかりというのが本当の実態です。
結局、ほんの一握りの多国籍企業と富裕層が生き残れば、大部分の労働者階級、勤労諸階層が貧困にあえいでも何の痛みも感じない資本の搾取と収奪の論理がまかりとおる世の中になったというほかありません。
このような現状を直視すれば、怒りが巻き上がり、政治へのアクションがあって当然です。しかし、アベノミクスは実質破たんしているにも関わらず、各マスコミの調査によれば内閣支持率45%、自民党支持率41%と高止まりと推移しているのが現実です。小選挙区選挙制度を許してから、自民党に変わる革新政党が登場していない現実が選挙への投票行為を鈍らせ、自民党と公明党の絶対多数の議席に国民はNO!といえず、先ごろの衆議院・参議院選挙、そして今年の4月統一地方選は、戦後最低の45%という投票率となり、自民圧勝をもたらしました。
大幅賃上げと福祉の向上の実現、
再生可能自然エネルギーの活用
日本に求められているのは、疲弊した日本経済の再建です。しかし、かれらにそのことができるでしょうか。できません。できるのは、第一に日本の労働者階級の階級闘争を活性化し、下部構造から変革していく以外にないのです。春闘での労働者の大幅賃上げと雇用の確保が絶対的な条件です。そして雇用労働者5240万人のうち、正規労働者は3294万人。これに比して1905万人(総労働者数の36.7%)に増えた非正規・有期雇用労働者を正規労働者として雇用することです。これらが実行されれば、内需は自ずと拡大し、実体経済は回復に向かいひいては財政再建につながるのです。
第二は、少子・高齢化社会の時代を迎え、まったなしの子育て支援、高校授業料無償化、老後の医療・介護、社会保障政策に財政支援を出動すれば、さらに内需は拡大するのです。
第三は、3・11大震災・原発の廃炉、被災地の復興・復旧、31万人に及ぶ避難民への救済策に財政出動することです。また高浜原発再稼働禁止の画期的判決が示すように、すべての原発を廃炉にし、自然再生可能エネルギーへの政策転換が求められています。ドイツの廃炉宣言に学ぶべきです。
15春闘はどうだったのか
いみじくも安倍首相をして、昨年同様「業績が上がっている企業は給与を上げてやっていただきたい」といわしめましたが、資本からのお涙頂戴では、賃金は上がるはずもありません。しかし、自動車など大手の組合は3000円のベアを獲たといいます。私たちの職場での15春闘はどうだったでしょうか。多くの中小、零細企業は円安の影響から輸入品目の原料が高いため、賃金には反映できないと賃上げどころか、コスト削減で賃下げだ、と嘆いています。これを助けるのが連合ですが、経団連のいいなりの連合は今度も政府の官制春闘の堕落から抜け出ることができませんでした。
多国籍企業などの260兆円~280兆円も溜め込んでいる内部留保金を、ストライキを闘い、吐き出させ、大幅賃上げ、非正規の労働者の正規化を勝ち取らねばならないのです。しかし、連合参加の自動車、電機、金融、IT関連会社参加の労組は、ストライキ権の行使という本来の武器を使うすべを知りません。この労働者を覚醒させることができるのは、全労協傘下のたたかう労働組合以外にありません。この中には、NTT関連合同労組、郵政産業労働者ユニオン、東京東部労組、全統一労組など果敢にストライキを打ち抜き、賃上げ、雇用、不均等の格差を是正させる闘いに成果をあげてきています。また、ブラック企業が増える中、近年全国の地域ユニオン、NPO法人POSSEなどへの相談件数も軒並み上昇し、未組織労働者の組織化と権利向上を目指してたたかいが進められています。
労働法制の改悪、残業代ゼロ法案阻止!
一日、8時間労働法制を守らせよう
もちろん、連合内部の中からも、職場闘争をとおして環境改善、労働条件の改善などの闘いを進める仲間の頑張りもあります。しかし、全体の底上げはこれからです。
それにもまして、今、取り組まねばならない差し迫った課題は、労働法制の改悪、残業代ゼロ法案の法制化を絶対に認めてはならないことです。なぜならば、「死ぬまで働け」というブラック企業の出現をこれ以上野放しにしてはならないからです。
日本の労働者の賃金体系が、年功序列・終身雇用から、成果主義の評価制度賃金に変わり、労働基準法にある1日8時間、週40時間労働法制がなきものにされ、長時間労働から過労自殺、精神疾患など多発しているのです。これを食い止めねば、パワハラ、セクハラ、マタハラスメントによる孤立無業、いわゆるひきこもりの30歳~40歳代の中年層が増加し、生活保護困窮者へと零落する現象に歯止めがかからなくあるのです。また、一方で、就労支援で働くハローワークの非正規職員の2万2千人の内10%の2200人が解雇され、就労支援どころではないというのが実態です。
この状況から推移すれば、失業者はさらに増大することが確実です。残業代ゼロ法案を許せば、限りなく死ぬまで働かされ、搾取の度合いは際限なく続くのです。
それを阻止するには、JAL解雇撤回闘争団の闘いに見られるように、最高裁で却下という敗訴してもこれを許さないとたたかう意思を固めました。やはりたたかう以外に道はないのです。
私たちのすすめる大衆学習運動
もうひとつの社会を目指して
私たちは、人間らしく働き続け、生き続けるために、大衆学習運動を取り組んできました。それは、グローバルな視点から言えば、現在の基本矛盾は、多国籍資本と世界の労働者階級であり、1%の富裕層と99%の貧困層の格差社会をもたらしている資本主義社会とたたかう労働者づくりのためです。
そのために第一学習会を闘いの砦として、資本主義的常識に流されている弱さの共通認識から、「なぜか、どうしてか」と相互討論で明らかにし、「それでいいのか」と議論を重ねて、具体的な許せない要求を明らかにしよう、労働組合に押し上げて、労働運動の再生に寄与しようと運動を進めてきました。しかし、私たちの力は弱く、現実の大きな流れは、労働運動、社会主義運動の脆弱さを露呈し、ますます、窮乏化法則が貫かれている現実に直面しています。
国労攻撃から始まる総評・社会党解体を許してしまったその主体的要因は、どこにあったのかを私たちは総括し、大衆学習運動の強化がすべての運動の基礎に座らなければ、闘うナショナルセンター、社会主義政党の再建はない、と運動を強化してきました。こうしたなか、県協連が追求してきたのは、以下の3つの大きな柱であり、年間方針をたて、全国交流集会で中間総括を行い、全国総会で年間総括を行い積み上げてきました。
四つの課題を三つにまなぶ
大衆学習運動の具体的追求とは
1)
第一学習会の強化、発展~
四国の前進にまなぶ
まず「なんとなく」生きてしまう日常性を克服するために、目的意識的、組織的に第一学習会を強化・拡大していこうといってきました。県協連に結集する会員は、〇〇〇名ですが、〇〇〇の友の会に組織されています。これらの仲間になんでも話せる場を保障していこうと、担い手が組織者として成長する努力を追求してきました。
若者への世代交代が実現
徳島県協の世代交代を成功させた力です。三好市職友の会を誕生させ、2人からの集団指導による若手への世代交代です。今まで、なんとなくやっていた第一学習会が、しだいに先細りという中、香川の先輩の声かけが刺激となり、キチンとテキストを使い、まず、参加者の固定化と継続の積み上げでした。これができたのも、労大中央講座での、曖昧さを残さない組織的学習の方法から、学習を会得したからだと担い手は述べています。今は、全国の友の会が機関紙を発刊して、会員や読者にも運動を知らせていることを学び、昨年から毎月発刊し運動に自信を持ってきたと、その成果を明らかにしてくれました。
さらに今年から、重点県協を徳島から高知県協に移し、第一学習会の中身の改善を手掛けています。県協の集団指導の強化で相互に良い影響を果たし、追いつけ、追い越せの運動が軌道に乗りつつある四国の発展が際立ってきた一年でした。
2)
5ヵ年で『月刊まなぶ』
3000部到達運動は
第2は、個人方針を確立し、運動を追求
それは、何かです。昨年の全国総会の中で分かったことは、第一に企業定年と同時に運動からも去っていく仲間が増えていることです。それには理由があります。まず自分の健康破壊、家族の健康破壊から運動が継続できなくなることです。それと同時に、老親の介護、引きこもりの子ども、就職できない子ども、仕事にはつけても非正規で親掛かりの実態等々、資本主義社会がつくりだす合理化攻撃を個人で受け止め、個人判断で、やめていくという実態があるということでした。また、突然、理由も分からず、組織から去っていく仲間が増えていることです。問題なのは、これらのことが隠れていて友の会でつかまれていないことです。従って改めて、友の会に求められているのは、何でも話せる人間関係から信頼関係に常日頃から、悩みがつかまれているのか、この検証が必要であるということです。よくみれば往々にして第一学習会に参加してこなくなっていたことが原因にあげられます。こうした仲間へももう一度、声をかけることが必要ですし、粘り強く第一学習会への参加を呼びかける必要性が分かりました。
リストアップ運動から読者拡大を
群馬県協、埼玉県協の努力にまなぶ
次に、減部傾向が続く中でも、具体的に拡大運動を目的意識的に取り組んできた県協があります。この5年で〇〇部拡大した群馬県協、〇〇部拡大した埼玉県協です。
関東では、幹事会で重点県協を群馬と山梨に設定し、取り組みを強化してきました。
個人方針の確立と友の会機関紙活動
そこで、今後の拡大運動の課題を明らかにしたいと思います。それには、『たたかい一生、学習一生』の長期方針のもと、自分の生活設計である個人方針で目標を定め、生命と健康、安全などの問題をメモ化し、持ち寄り、仲間へ、家族への働きかけの武器を見つけだすことです。そして、この具体的な生命と健康、安全に対する不安、そして不平・不満から要求へ、それを仲間に投げかけて意見をもらい、ゆるぎない要求に高めていくには、機関紙活動が重要です。東京京成駅葛飾友の会の『はたらく仲間』、三池友の会の『なかま』など、進んだ友の会では、この機関紙を武器に働きかけ、その反応を第一学習会に持ち寄るという、一連のサイクル運動を通して、個人方針は豊富化され、仲間づくりへ発展します。職場、地域、家庭に拡大が進んでいきます。その交流を強めましょう。
個人方針の確認から実践を検証
東京北部協・うしお友の会の取り組み
この個人方針は、友の会員一人ひとりが、自分で建てればそれでよいのでしょうか。
それでは宝の持ち腐れです。その個人方針を、友の会で相互に確認し、なにが問題なのか。どうしたいのか。これを第一学習会で相互討論をしなければ事態は進みません。このことが分かったと、出しっぱなしを反省し、第一学習会ごとに、誰の個人方針で討論するのかを決めて、じっくり聞き、そこから、議論を始めたといいます。そうすると一日の労働、家庭生活での本音のところがだされるようになり、上滑りしていた拡大運動に光が見え、仲間の拡大につながってきたと総括がだされました。
3)
総学習運動の推進
第3は、資本の攻撃、仲間の頑張りに学び、運動への展望の裏づけを、古典にまなび続けていかねば、最後には勝利するという展望を維持し、階級的労働運動、社会主義運動に寄与することは困難です。この古典に学ぶ取り組みは、とりわけ全国、ブロック、県協の指導部から労大再建記念出版『社会を変える、自分を変える』、続く『日本はどこへゆくのか』の総学習運動を推進していこうと実践してきました。
総学習運動を通して、なんとなくの日常性を脱して、一歩前に出て階級闘争を強化していこう。そこで新社会党を社会主義政党へと発展させるために自ら入党し、社会主義運動を高めようとする目的意識的、組織的な運動へとつながるようになってきました。
4) 若者、女性の担い手の拡大、
家族ぐるみの強化で世代交代を
以上の3つの大きな柱を、いっそう展望をもてるものとするには、何でしょうか。組織と運動の維持、発展であり次の世代を担う若者を友の会に組織することです。
また女性学習会の継続から、女性の担い手が少しずつですが拡大しています。これらの成果を組織に吸収し、次期世代と交代できる条件をつくり上げていきます。それには、団塊の世代があと10年、家族ぐるみで頑張り続け、展望を切り開かねばなりません。
自民党は、2世代、3世代と、戦後長らく、世代交代を続け、総評・社会党を崩壊させ、小選挙区制度で悪政の限りを尽くしています。私たちは、これを許すわけにはいきません。それには己自身の一代限りでは勝負になりません。労組内の青年・女性の組織化はもちろんですが、私たちも家族ぐるみの団結を強化し、まなぶ2世、3世を生み出そうではありませんか。
5)6ブロックの統一へ
この課題は進んでいませんが、相手があることですので、粘り強く働きかけ話しあいを求めていきます。
6)分散会の進め方
最後に、分散会の進め方ですが、友の会活動報告書に基づき、自己紹介後、次の3点を重点に進めてください。
① 働き方、生活の見直しで気づいた点、怒り、要求は、はっきりしてきたのか。
② 第一学習会で話し合われていることは何か。
③
仲間作り、とりわけ『月刊まなぶ』3000部到達運動がどう取り組まれているのか。